母の収入は「月5万円」の年金のみ。私は年収320万で援助ができません…「生活保護」に頼ってもらうべきでしょうか…?

配信日: 2023.05.11

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母の収入は「月5万円」の年金のみ。私は年収320万で援助ができません…「生活保護」に頼ってもらうべきでしょうか…?
収入が月に5万円の年金しかないなど、離れて住んでいる親の生活が苦しいと心配になることもあるでしょう。自分が援助したいと思っても、経済的に余裕がないケースもあります。
 
例えば、年収が320万円程度で、自分の生活だけで精いっぱいという人もいるでしょう。本記事では、このような状況において生活保護を勧めたほうがよいのか解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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親の扶養義務者としての役割は?


 
生活保護は最低限度の文化的な生活を保障する制度です。したがって、親の暮らしがその水準に達していないなら、基本的には制度の対象になります。ただし、扶養義務者からの支援のほうを優先するという原則に注意しましょう。
 
扶養義務とは、経済的に自立できない近親者を援助しなければならないというものです。子どもにとって親は近親者なので、生活保護を頼りにするよりも、まず自分がサポートすることを考える義務があります。
 
とはいえ、扶養義務者がいるからといって、必ずしも制度の対象外になるわけではありません。なぜなら、実際に援助が可能かどうかは別の話だからです。子ども自身も経済的に苦しいなど、事情がある場合は生活保護を認めてもらえる可能性があります。
 

少しだけでも仕送りできないかも検討

生活保護が適用されると、収入と最低生活費との差額を受給できるようになります。最低生活費とは、文字どおり最低限の生活に必要な支出であり、算出に使われるのは厚生労働大臣が定めた基準です。
 
また、年金以外に受け取るお金があるなら、それも収入に該当します。福祉事務所が親の扶養義務者を調査する際、子どもは仕送りが可能かたずねられるのが一般的です。少しだけでも援助できるなら、その分も収入に加えて計算することになります。
 
最低生活費を10万円と仮定した場合、年金が5万円で仕送りが2万円なら収入は7万円で、生活保護としては3万円の受給が可能です。このように扶養義務者からの仕送りを検討した上で、それでも足りなければ、生活保護を受給するという流れが基本となっています。
 

対処法を考えるときのポイント

上記の流れで、生活保護を受けてもらうことに問題はないでしょう。ただし、生活保護はセーフティーネットという位置づけであり、単純にお金を受け取れる制度ではないという点に注意が必要です。これまでの暮らしが大きく変わり、さまざまな制約が生じるリスクを理解しておく必要があります。
 
例えば、自動車などの資産は原則として売却しなければならず、生命保険も解約して返戻金を生活費にあてなければなりません。毎月収入の状況を申告し、年に数回はケースワーカーの訪問調査を受けます。
 
このような制約が厳しいと感じるなら、先に別の制度を検討してみることも重要です。低所得や高齢者を対象とするものとして、生活福祉資金貸付制度があげられます。社会福祉協議会が運営しており、生活費などの一時的な資金の借り受けが可能です。国や自治体によるサポートはほかにもあるので、生活保護も含めて、親にとって最適な対処法を選択しましょう。
 

親に勧めるなら制度の内容やリスクを理解しておこう

親の生活が苦しい場合、自分もお金に余裕がないなら、生活保護を勧めることも1つの方法です。仕送りの検討など、子どもとして援助するスタンスも重要ですが、制度を利用してもらうと生活費の不足を補えるようになります。
 
一方、さまざまな制約が発生することも考慮しなければなりません。生活保護を含めた対処法について、制度の内容やリスクを理解した上で、親に提案するかどうか判断しましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度

厚生労働省 生活福祉資金貸付制度

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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