保育士は多忙でも「手取り18万」!? それでも「月4万円」給与が改善されてるって本当?
配信日: 2023.05.22
そこで本記事では、保育士の給与について解説すると共に、なぜ保育士が多忙なのかについても紹介していきます。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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保育士の給与は平均給与よりも低い
1年間勤務した給与所得者の平均給与は年額で443万円です。給与の内訳は平均給料が年額377万円、平均賞与が年額66万円でした。
これに対して保育士の平均給与は、年額391万3700円となっています。内訳は平均給与が月額で26万6800円なので12ヶ月分で320万1600円、平均賞与が年額71万2100円です。
月の手取りで考えると、約18~19万円ほどと考えられます。また、保育士も新任の場合と主任の場合、施設長の場合では平均給与が異なります。
各役職の平均給与
全国保育協議会の会員の実態調査2021によると、新任の保育士の平均給与は304万1000円です。公設民営の新任保育士は310万円、民設民営の新任保育士は303万7000円となっています。運営主体によっても平均給与は異なるようです。
また、主任保育士・主幹保育教諭の平均給与は、500万6000円となっています。公設民営の場合は483万4000円、民設民営の場合は501万8000円です。主任保育士・主幹保育教諭になると、一般的な平均給与よりも給与が高くなります。
施設長の平均給与は、656万円4000円です。公設民営の施設長は605万6000円、民設民営の施設長は659万8000円となっています。施設長まで役職が上がると、平均給与もかなり高くなることがわかりました。
特に民設民営の施設長は、公設民営の施設長よりも多くの給与が貰えるようです。
保育士が多忙な理由
保育所にはサービスの確保のために「児童福祉施設最低基準」が設けられています。この基準には配置基準と施設基準の2つがあり、保育士の業務に関係があるのが配置基準です。
配置基準は保育士1人あたりが担当する児童の数を定めた基準で、保育士が無制限に多くの児童を担当しないように定められています。
具体的には、0歳児の場合は3人に保育士が1人、1・2歳児は6人につき保育士が1人、3歳児の場合は20人につき保育士が1人、4歳児以上は30人につき保育士が1人です。
確かに無制限に児童を担当しないようにするためには有効な基準かもしれません。しかし、1人でこれだけの人数の児童を担当することは、保育士にとってはかなり過酷な基準ではないでしょうか。
これでも保育士の給与は改善されている?
主任保育士・主幹保育教諭や施設長まで役職が上がると一般的な平均給与よりも多くの給与をもらえますが、保育士の平均給与は391万3700円なので低い水準です。しかし、この平均給与も年々改善されています。
厚生労働省によると、平成25年以降から給与の改善がされているようです。具体的には月額で給与が4万4000円上がっています。また、令和4年2月からはさらに月額で9000円の引き上げ措置もされました。
また、保育士を補助する保育補助者の雇用支援も進んでいます。この支援によって保育士1人あたりの負担が少なくなることが期待されています。少しずつですが保育士の給与も改善し、労働環境も改善されているようです。
現在は厳しい給与と待遇だが今後に期待
保育士は労働環境が厳しいです。また、給与が平均よりも低いため待遇面で不満や不安があると考えられます。しかし、給与や雇用環境は改善されてきているので、今後はより働きやすくなるかもしれません。
平均給与以上の給与と待遇面の改善が保育士を増やすことにつながることを期待しましょう。
出典
国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査
全国保育協議会 会員の実態調査2021報告書
厚生労働省 保育士養成について
厚生労働省 保育士の働く環境は? 3つの改善
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー