更新日: 2023.05.24 年収
地方在住の21歳、正社員ですが手取りは「月14万」です。これなら東京で最低賃金のバイトをしたほうがいいでしょうか?
それでは、東京都の最低賃金でアルバイトをしながら1人暮らしをするとどのような生活ができるのか、詳しくみていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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東京都の最低賃金で働くとどのぐらい稼げる?
2023年5月時点での、東京都の最低賃金は1072円です。最低賃金が最も少ない県と比べると、219円も高いです。この条件で1日8時間、月に20日働いたと仮定すると17万1520円になります。
ここから、社会保険や税金などで2割ほどが引かれるとすると、手取り収入は13万7216円で、14万円を下回ります。生活のためにアルバイトを掛け持ちし、1日10時間、月に25日働いた場合、額面収入は26万8000円で、おおよその手取り収入が21万4400円となります。
1人暮らしにかかる費用はどのぐらい?
総務省が公表している2022年の家計調査によると、1人暮らしの世帯で1ヶ月にかかる消費支出の平均額は16万1753円でした。このうち、関東地方の平均額は17万8436円で、ほかの地方と比べて最も高いことが分かっています。
特に、消費支出の平均額が最も少なかった九州・沖縄地方の14万945円と比べると、3万円以上も高くなっています。また、全国の大都市の平均は17万84円で、全国の小都市・町村の平均15万595円よりも2万円近く高くなっています。
なお、総務省の家計調査では持ち家の世帯の家賃がかかっていないものとみなすため、家賃の額が少なくなっています。住居費を除いた関東地方の平均消費支出額は1ヶ月14万9160円で、ここに実際の家賃を加えた額が、1人暮らしの世帯で1ヶ月にかかる消費支出額です。
東京都は最低賃金が高いですが、ほかの道府県と比べて家賃が高いことでも知られています。また、地域によっても家賃にバラツキがあります。全国賃貸管理ビジネス協会が発表している、2023年4月時点の東京都の家賃相場は6万8840円(1部屋)ですが、SUUMOによると千代田区や港区といった都心部だとワンルームマンションだとしても10万円以上かかります。
23区内で最もワンルームマンションの家賃相場が安い葛飾区でも5万6000円で、東京23区内で1人暮らしをするなら家賃を加えて20万円前後のお金が出ていきます。
一方、多摩地域だと、1Kや1DKといった部屋だとしても、1ヶ月5万円以下の家賃相場の地域もありますが、都心部ほど公共交通機関や商業施設が充実しておらず、生活のために車がないと不便なところもあります。
地方で正社員と東京でアルバイト、どちらが得?
一般的に正社員のメリットは、福利厚生がしっかりしている点です。1ヶ月の手取り収入が14万円だとしても、ボーナスをもらえることがありますし、経験を積めば将来的に収入が増える可能性もあり、将来の退職時には退職金も期待できます。
また、年金などの社会保険が充実し、休日がきちんと確保されている点も魅力です。地元で親と暮らしている場合は、1人暮らしをするよりも生活費がかからないこともあるでしょう。
一方、アルバイトの場合、正社員よりも柔軟に働けます。アルバイトの掛け持ちや副業もしやすいです。東京都内で仕事を探す場合、求人数が多いのでやりたい仕事を見つけやすいというメリットもあります。
ただし、働けば働くほど収入は増えますが、自分が自由に使える時間は少なくなります。もちろん、地元にしかない魅力、都会にしかない魅力もありますから、これらのことを踏まえて自分に合った選択をするのが賢明です。
東京でアルバイトをする場合、自由な時間が減る可能性も
東京都は最低賃金が高いですが、ほかの地方と比べて家賃や生活費も高いです。東京都でアルバイトをしながら1人暮らしをする場合、生活を維持するために長時間の仕事をしなければならず、地方に住んでいたころよりも自由な時間が減る可能性があります。
ただし、地方に比べて求人数が多く、仕事を探しやすいなどのメリットもあります。メリット・デメリットをよく考えて、自分に合った選択をしましょう。
出典
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2022年 3都市階級・地方別
全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー