更新日: 2023.06.17 年収

【片働VS共働き】年収1000万円の手取りの違いは「約43万円」!? お得な年収バランスについて解説

【片働VS共働き】年収1000万円の手取りの違いは「約43万円」!? お得な年収バランスについて解説
「年収1000万円」と聞くと、うらやましいと感じる人も多いのではないでしょうか。ただ、給与天引きされる金額も大きいため、手取り金額は思ったよりも少ないかもしれません。また、1人の年収なのか、共働きでの世帯年収なのかでも手取り額は異なります。
 
本記事では、年収1000万円の手取り額をパターン別に計算し、お得になる年収バランスを検証します。
FINANCIAL FIELD編集部

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1人で年収1000万円超を稼げる人は4.5%

国税庁が公表している「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者5270万人のうち、年収1000万円超だった人の割合は4.5%となっています。男女別では、男性6.9%、女性0.9%です。
 

世帯所得では12.7%

厚生労働省が公表している「2021年国民生活基礎調査の概況」によると、世帯所得1000万円超の割合は12.7%となっています。共働きであれば、年収1000万円を超えている家庭は意外と多いことが分かります。
 

年収1000万円の手取り額をケース別に計算

それでは、年収1000万円の手取り額を計算してみましょう。家族構成は夫婦と小さな子どもがいる家庭とし、社会保険料は全国健康保険協会の東京都の金額を使用し、介護保険第2号被保険者に該当する場合で計算します。税金の計算では、社会保険料、配偶者控除または配偶者特別控除、基礎控除のみ考慮するものとします。
 

年収1000万円+専業主婦(夫)の場合

まずは夫婦のいずれかが1人で年収1000万円稼いでいる場合の手取り額です(図表1)。
 
図表1
 

年収 社会保険料 所得税 住民税 手取り額 年収に対する手取り額の割合
1000万円(夫・妻いずれか) 約130万円 約75万円 約60万円 約735万円 73.5%
0円(配偶者) 0円 0円 0円 0円
合計 約130万円 約75万円 約60万円 約735万円 73.5%

 
全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)東京都
国税庁 No.1410 給与所得控除 を基に作成
 

年収900万円+100万円の場合

次に、夫婦のいずれかが扶養内で働いている場合です(図表2)。
 
図表2
 

年収 社会保険料 所得税 住民税 手取り額 年収に対する手取り額の割合
900万円(夫・妻いずれか) 約124万円 約56万円 約50万円 約670万円 74.4%
100万円(配偶者) 0円 0円 0円 100万円 100%
合計 約124万円 約56万円 約50万円 約770万円 77.0%

 
全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)東京都
国税庁 No.1410 給与所得控除 を基に作成
 

年収500万円+500万円の場合

最後に、夫婦ともに正社員で同額の年収を得ている場合です(図表3)。
 
図表3
 

年収 社会保険料 所得税 住民税 手取り額 年収に対する手取り額の割合
500万円(夫・妻いずれか) 約74万円 約13万円 約24万円 約389万円 77.8%
500万円(配偶者) 約74万円 約13万円 約24万円 約389万円 77.8%
合計 約148万円 約26万円 約48万円 約778万円 77.8%

 
全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)東京都
国税庁 No.1410 給与所得控除 を基に作成
 

片働きで年収1000万円が最も手取り額が低い

片働きで年収1000万円の場合の手取り額は約735万円、夫婦のいずれかが扶養内の場合では約770万円、夫婦が500万円ずつ稼いでいる場合には約778万円です。最小額である片働きの場合と、最大額である夫婦500万円ずつの場合との差は約43万円で、これほどの差になった理由は累進課税率が適用される所得税部分が大きいでしょう。
 
後者2つの手取りは似た結果となりましたが、その理由は少し違います。夫婦いずれかが扶養内で働いた場合では、年収900万円の人の社会保険料や税金は高くなりますが、年収100万円については丸々手取りとなるため、合計としては片働きで年収1000万円の人より高くなりました。
 
これに対して、夫婦で500万円ずつ稼いだ場合では、年収1000万円や900万円の人より所得税率が低くなるため所得税が抑えられます。その代わり、夫婦で社会保険料を負担するため、他2つより社会保険料は高くなっています。
 

まとめ

同じ年収1000万円でも、共働きの方が社会保険料と税金の負担が分散されるため、手取り額は多くなります。社会保険料は共働き正社員が最も高くなりましたが、その分年金が増えるということです。
 
また夫婦それぞれに収入があるという状況は、どちらかが何らかの理由で働けなくなった場合のリスクヘッジにもなるでしょう。単に手取り額だけでなく、将来設計なども視野に入れながら働き方を検討してください。
 

出典

国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査

厚生労働省 2021年国民生活基礎調査の概況

全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)東京都

国税庁 No.1410 給与所得控除

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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