更新日: 2023.07.15 年収
27歳で「年収280万」って少ないでしょうか? なんとか1人暮らしはできています
27歳で年収280万円は、果たして多いのでしょうか。現状は1人暮らしができていても、今後も問題が生じないとは限りません。
今回は、20代後半の平均年収や1人暮らしの消費支出額を紹介しながら、適切な家賃などについても考えます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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20代後半の平均年収
国税庁が実施した令和3年分の「民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の全世代の平均年収は443万円となっています。男性では545万円、女性では302万円という結果でした。
この平均年収のデータは、雇用形態が限定されたものではありません。正社員に限定すると、平均年収は508万円であり、男性の正社員では570万円、女性の正社員では389万円となっています。
次に、年齢階層別の平均年収もみてみましょう。同調査によれば、25~29歳の平均年収は371万円という結果でした。同年代の男性の平均年収は404万円、女性は328万円です。これらのデータから、27歳で年収280万円は、女性でも平均より40万円以上少なく、男性であれば平均よりも100万円以上も少ないことがわかります。
ちなみに、20~24歳の平均年収が269万円であり、同年代の男性の平均年収が287万円です。年収280万円は20代前半と同水準といえるでしょう。
1人暮らしの消費支出額
つづいて、総務省統計局の実施している「家計調査」から、1人暮らしの人の支出についてみてみます。令和5年1~3月期の調査結果によれば、働いている1人暮らしの人の1ヶ月あたりの平均消費支出額は約17万1000円という結果でした。34歳以下の世帯に限定すると、同じく1ヶ月あたりの平均消費支出額は約14万4000円となっています。
この消費支出額には住居にかかる費用も含まれています。しかし、同調査によれば働いている1人暮らしの人の1ヶ月あたりの住居にかかる費用は平均で約2万7000円です。34歳以下の世帯でも約2万4000円となっています。1人暮らしの場合、多くの人が賃貸住宅に暮らしているでしょう。住んでいるエリアにもよりますが、都市部であればワンルームでも、通常はさらに多くの住居費用が必要となります。
年収280万円の場合、手取り額は220~230万円ほどになると予想されます。仮に220万円とした場合、月の手取り額は18万円程度です。家賃以外の消費支出が毎月12万円ほどで、統計データよりも高い家賃を払っている場合、「なんとか1人暮らしができている」という表現は適切でしょう。むしろ、いつ赤字になっても不思議ではない状況ともいえそうです。
食費や家賃の節約は必須
現状、年収280万円で生活はできているとしても、決して楽な生活であるとはいえません。今後、物価が上がる可能性もあります。もし、消費支出が平均と同水準なのであれば、さらに下げる必要性も出てくるでしょう。
家計調査では、34歳以下の1人暮らしの勤労者世帯の食費は1ヶ月あたり約3万6000円という結果でした。衝動買いや外食・中食を抑え、お酒やお菓子も控えながら、自炊やまとめ買いを心がけることで、3万円以下にまで減らすことは十分に可能でしょう。
また、家計を圧迫しない家賃の目安は、収入の25%ほどといわれています。多くても30%以内には抑えたいところです。年収280万円の場合は、1ヶ月あたりの家賃目安は5万8000~7万円ほどとなります。寝起きするだけの部屋を借りるのであれば、1人暮らしの間、あるいは年収がさらに上がるまでは5万円台、高くても6万円台前半に抑えるとよいでしょう。
年収280万円でも1人暮らしは可能だが節約は必要
20代後半の平均年収は約370万円です。27歳で年収280万円は、平均と比べれば少ないといえます。ただ、現状1人暮らしができているのであれば、無駄な消費はあまり多くはないともいえそうです。
それでも、物価の上昇の可能性などを考慮すれば、可能な限り節約する必要が出てきます。特に、食費や家賃などの見直しは必須です。自身の生活を一から見直し、改善できるところから始めてみましょう。
出典
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯2023年1~3月期
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー