大学生の子どもの年収は「130万円」未満。それでも「扶養に入れない」理由とは? 社会保険の間違えやすいポイントを解説

配信日: 2023.07.18

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大学生の子どもの年収は「130万円」未満。それでも「扶養に入れない」理由とは? 社会保険の間違えやすいポイントを解説
家族が社会保険の扶養に入る条件の1つに、家族の年収が130万円未満であることがあげられます。しかし、別居している子どもの場合、親からの仕送り額以上にアルバイトで稼いでいると扶養には入れないなどの条件は忘れがちです。
 
また、アルバイトでの稼ぎが多いと扶養に入るのではなく、本人が社会保険や国民健康保険に加入しなければならない場合もあります。本記事では、社会保険の扶養の条件と、扶養に入れない場合の対応を解説します。
二角貴博

執筆者:二角貴博(ふたかど たかひろ)

2級ファイナンシャルプランナー

社会保険の扶養に入るための収入要件

子どもが社会保険の扶養に入るためには、年間の収入要件のほか、日本国内に住所があり、被保険者(この場合は親)により主として生計を維持されていることなどの条件があります。配偶者や子、孫および兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属であれば同居は条件ではないので、子どもが大学進学のため親元から離れて住んでいても問題ありません。
 
収入要件は年間の収入が130万円未満で、一緒に住んでいるかどうかにより次の条件があります。
 

・同居の場合
原則、子どもの収入が親の収入の半分未満
 
・別居の場合
子どもの収入が親からの仕送り額未満

 
親の社会保険の扶養に入るには、子どもの収入が130万円未満であることに加え、別居であればアルバイトなどの収入が親からの仕送り額未満の金額でなければなりません。なお、60歳以上または障害者の場合の収入要件は、年間収入180万円未満となっています。
 

扶養を外れたらどうする?

もしも子どもの収入が原因で親の扶養を外れてしまったら、次のように子ども本人が国民健康保険または社会保険に加入する必要があります。
 

国民健康保険に加入する

年収が130万円以上あるため親の扶養から外れた大学生であれば、住民票のある自治体の国民健康保険に加入するのが一般的です。親の社会保険から脱退した上で、市区町村の窓口などで国民健康保険の加入手続きを行う必要があります。なお、必要な保険料は自治体により異なります。
 

社会保険に加入する

通常、昼間大学に通う学生のアルバイトであれば収入があっても社会保険に加入する義務はありません。しかし、学生であっても社会保険の適用事業所に勤務し正社員の4分の3基準を満たす場合は、正社員などと同様に健康保険と厚生年金保険の被保険者となり、保険料を支払う義務があります。
 
4分の3基準とは、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同じ職場で同様の仕事をしている従業員の4分の3以上であれば、パート・アルバイトなどでも社会保険に加入しなければならないという基準です。
 
例えば、正社員ではなくても次の要件を満たせば、学生であっても社会保険に加入しなければなりません。
 

・週に40時間勤務する会社であれば、30時間以上
・月に20日が所定労働日数であれば、15日以上

 

卒業後もアルバイトを続けていた場合は

今回の例では学生は適用除外となっているため関係ありませんが、卒業後もアルバイトを続けていると社会保険に加入しなければならない場合があるので、解説します。
 
従業員(フルタイム従業員と週の所定労働時間がフルタイム従業員の4分の3以上のパートやアルバイトを含む従業員)の数が101人以上(2024年10月からは51人以上)の事業所で、次の4要件をすべて満たしていると、社会保険への加入が必要です。
 

1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.賃金の月額が8万8000円以上であること(いわゆる年収106万円の壁)
3.2ヶ月を超える雇用の見込みがあること
4.学生でないこと

 

扶養になる条件の確認は大切

子どもが自分で国民健康保険料や社会保険料を払うことになると、経済的な負担が大きくなります。また年間の所得が48万円(給与のみの場合は収入が103万円)を超えると、親の税金上の扶養からも外れてしまうため、扶養控除が受けられないので親にも金銭的負担が発生します。子どもがアルバイトをする際には、扶養の条件を理解しておくことが大切です。
 

出典

日本年金機構 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
全国健康保険協会 被扶養者とは?
政府広報オンライン パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。
 
執筆者:二角貴博
2級ファイナンシャルプランナー

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