更新日: 2023.07.19 年収

【給与明細】先月の手取りと「300円」だけ違う!? 所得税と雇用保険料だけ毎月「数百円」変動する理由を解説

【給与明細】先月の手取りと「300円」だけ違う!? 所得税と雇用保険料だけ毎月「数百円」変動する理由を解説
給与明細をよく見ると、所得税と雇用保険料だけは毎月変動しているのが分かると思います。住民税、健康保険料、厚生年金保険料は定額なのになぜでしょうか。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

所得税と雇用保険料が変動する理由

所得税と雇用保険料は、「住民税」「健康保険料」「厚生年金保険料」と計算方法が異なるため、給与から引かれる金額が定額になりません。
 

所得税の計算方法

給与から引かれる所得税は「源泉所得税」と呼ばれ、その年分の概算金額を天引きしています。よって、できる限り月の給与に応じた税額になるように、給与の度に源泉徴収税額表(図表1)に当てはめて計算する仕組みとなっています。源泉所得税額は、社会保険料控除後の金額に対してかかります。
 
例えば、月給35万円、社会保険料5万円、扶養親族が1人の場合の源泉所得税は、6740円ということになります。源泉徴収税額表を見ると分かるように、税額は非常に細かく設定されていることから、残業代が1時間分ついただけでも税額が変わる可能性があるのです。
 
図表1
 

 
国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和5年分)を基に筆者作成
 

雇用保険料の計算方法

雇用保険料の金額は、給与に雇用保険料率を乗じて計算されます。雇用保険の対象となる給与は以下のとおりとなっており、一般的に支給される手当はほとんど対象です。
 

【対象】

●通勤手当(課税分、非課税分の区別は問わない)
●残業手当
●家族手当
●子ども手当
●資格手当
●住宅手当

など
 
次に、雇用保険の対象外となる給与は以下のとおりです。基本的には、祝い金など労働の対価ではないものや、労働者が実費負担した分の返金などが並んでいます。
 

●結婚祝金
●死亡弔慰金
●出張旅費
●宿泊費

など
 
雇用保険の対象になる給与に乗じる雇用保険料率は定期的に見直されており、2023年4月1日から2024年3月31日までは0.6%となっています。農林水産・清酒製造・建設業などに従事している人は0.7%です。
 
例えば、月給30万円、通勤手当1万円、家族手当1万円の人の雇用保険料は、(30万円+1万円+1万円)×0.6%=1920円となります。
 
前述したように、雇用保険料は給与に料率を乗じて計算される仕組みとなっているため、給与がわずか500円でも変動すれば雇用保険料も3円(0.6%の場合)変わることになります。給与には各種手当が含まれるので、毎月微妙に変わってくることはじゅうぶんあり得ます。ただし、料率が0.6%または0.7%と低率であることから、給与が100円増えた程度であれば変動しません。
 

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住民税・健康保険料・厚生年金保険料が固定な理由

住民税は前年分が天引きされる仕組みとなっています。所得税は当年分を概算で天引きしていました。よって、住民税は確定額を12ヶ月の分割払いとして天引きしていることから、毎月一定額となっているのです。
 
健康保険料と厚生年金保険料は、毎月の給与金額に対して計算されているのではなく、4~6月分の給与をもとに決定された標準報酬月額に応じた金額となっています。よって、月の給与が残業代などによって変動しても、健康保険料と厚生年金保険料は一定になるのです。
 
なお、これらもずっと一定ではありません。住民税は毎年6月ごろ、健康保険料と厚生年金保険料は毎年9月ごろに新年度分へ変更されます。
 

まとめ

給与から天引きされる所得税と雇用保険料は、その月の給与に応じて計算されるため毎月変動しています。「残業が全くない」、「固定残業代になっている」などで給与が毎月一定の人は、所得税と雇用保険料も一定になるでしょう。
 

出典

国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和5年分)

厚生労働省 7 雇用保険料の対象となる賃金

厚生労働省 令和5年度雇用保険料率のご案内

 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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