毎月の「給与明細」しっかり見ていますか? もし間違いを発見したら?

配信日: 2023.10.01 更新日: 2023.10.02

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毎月の「給与明細」しっかり見ていますか? もし間違いを発見したら?
給与をもらった際に「給与明細に目を通さない」「口座に振り込まれる金額しか見ていない」という人もいるのではないでしょうか。そのため、給与明細の内容に間違いがあっても気づかない、仮に間違いに気づいてもどのように対応すればよいか分からない人も多いことでしょう。
 
給与明細の内容に間違いを発見した場合は、正しい対応が必要です。給料をもらったら、必ず給与明細を確認する習慣をつけてください。
 
本記事では、給与明細に記載されている項目をはじめ、給与明細の内容に間違いを発見した場合の適切な対処法を解説します。
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給与明細に記載されている項目とは?

給与明細に記載されている項目は、企業によって多少の違いはあるものの、主な内容は以下のとおりです。

●勤怠項目
●支給項目
●控除項目
●合計(差し引き支給額)

給与明細は給料をどのくらいもらえるかだけでなく、天引きされる社会保険料や税金や残業代や各種手当の金額を確認できます。項目別に内容を解説するので、給与明細を正しくチェックするために役立ててください。
 

勤怠項目

給与明細の勤怠項目には、以下の内容が記載されています。

●出勤日数
●勤務時間
●有給休暇取得日数
●欠勤日数
●残業時間
●休日出勤時間など

出勤した日数をはじめ、勤務時間や残業時間といった出勤状況、休暇の取得状況といった勤務実績に関する項目です。給与明細が発行されたら、記載されている各項目の日数、時間に相違がないかを確認しましょう。

 

支給項目

支給項目には、給与の支給金額とその内訳が記載されています。基本給や時間外勤務手当をはじめ、役職手当や家族手当、住宅手当などの各種手当、交通費といった会社から支給される給与の総額で、額面と呼ばれるものです。この給与の総支給額から、社会保険や税金といった費用が天引きされた金額を手取りとして受けとれます。
 

控除項目

控除項目から確認できるのは、給与から天引きされる社会保険料や税金、財形貯蓄の内訳などです。控除項目の一例は以下のとおりで、会社勤務の場合は労働者である本人に代わって、勤務先が社会保険料や税金などの天引きを行っています。

【社会保険料】

●厚生年金保険料
●健康保険料
●雇用保険料
●介護保険料

【税金】

●所得税
●住民税

 

合計(差し引き支給額)

合計には、支給額合計、控除額合計、差し引き支給額が記載されています。差し引き支給額は、銀行口座に振り込まれる金額で、手取りと呼ばれるものです。支給額合計から控除額を差し引いた金額が差し引き支給額となって、労働者自身の手元に残ります。
 
念のため、差し引き支給額と実際に銀行口座へ振り込まれた金額に間違いがないか、確認しておくとよいでしょう。
 

給与明細に間違いを発見したらどうする?

給与明細を確認して、内容の間違いを発見した場合は速やかに勤務先の担当部署に申し出てください。過払いされた場合は返還請求に応じる、不足がある場合は不足分を支払ってもらうなど、適切な対応をしてもらいましょう。
 
また、給与明細に保管義務はありませんが、すぐに破棄(はき)するのはおすすめしません。あとから過払いが発見された場合などに提出や確認を必要とする場合もあるので、目安として5年間は保管しておいてください。
 

過払いされた場合:返還請求に応じる必要がある

給料が実際よりも多く支払われていた場合、勤務先に速やかに申し出て返還の手続きを進めてください。給料が過払いされたにも関わらず勤務先に申し出なかった場合、5%の利息を上乗せされる、損害賠償を請求されるといったリスクも高いので注意しましょう。
 
また、勤務先から返還請求を受けた場合、労働者は応じる必要があります。勤務先が間違えて給料を多く支払ったとしても、労働の対価以上のお金を手にしている状態です。不当に利益を得た状態と見なされてしまい、勤務先は「不当利得返還請求権」によってお金を取り戻すための請求を行います。
 

不足分がある場合:不足分を計算して支払ってもらう

給料に不足分がある場合、速やかに勤務先に申し出て不足分を計算して支払ってもらいましょう。給料は全額支払いの原則があるため、不足分は翌月の給与に合算することはできません。
 
なお「賃金請求権」によって、給与の未払いを請求できる期間が5年(当分の間は3年)に定められています。給与の未払いがあった事実を後から気付いたとしても、時効を迎えている場合は請求できないので注意しましょう。
 

給与明細の内容に間違いがないか確認する習慣をつけよう

給与明細には、実際に支給される給与をはじめ、出勤状況や各種手当、天引きされる税金や社会保険料といった金額の詳細が記載されています。給与明細の内容を正しく把握しておけば、間違いを発見することが可能になります。そのうえで、給与が多く支払われていたり、不足があったりした場合は、勤務先に速やかに申し出て適切な対応をしてもらってください。
 

出典

厚生労働省 事業主の皆さま、労働者の皆さま
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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