更新日: 2023.10.13 年収
娘が保育士希望! 「仕事がキツくて給与が安い」は本当なの?
しかし、保育士の仕事といえば重労働なわりに給料が安い、などという声も聞かれます。自分の子どもがもし、保育士を志望しているとしたら、親として心配な面もあるでしょう。そこでこの記事では、保育士の就業実態や、平均的な給与額などについて詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
保育士の給料は安い?
保育士になった場合の給与額は、勤務する施設や雇用契約などにより、かなりの違いがみられますが、一部、調査報告もあります。
例えばe-Stat 賃金構造基本統計調査 職種別調査における保育士の「決まって支給される賃金」によると10人以上1000人以下の規模の事業所で勤務する保育士の平均給与は256万5000円でした。ただし、保育士の年収は2013年以降、増加の一途をたどっています。そうしたことを考えると、保育士の年収は今後より改善されることが期待できます。
また、東京都福祉局の保育士有資格者全体の実態調査によれば、東京都で働いている保育士のおよそ3割はパートやアルバイトとして働いており、年収100万円未満と答えた人は11.3%いました。そうしたことも保育士全体の平均年収額を下げている要因だといえるでしょう。
保育士の仕事は重労働?
保育士の仕事はハードだとよくいわれますが、その理由はさまざまです。例えば保育士は、重労働が多いといわれています。乳幼児を担当する保育士は、赤ちゃんを抱っこしてあげなければなりません。乳幼児を担当していない場合でも、机や椅子を運ぶなどの作業をする機会が頻繁(ひんぱん)にあるでしょう。そうしたことから、どうしても体力が必要になります。
また、こなさなければならない業務が多いことも仕事がきつくなる理由のひとつです。保育園では、運動会や発表会など、年間を通じてさまざまなイベントが行われます。保育士は普段の業務に加え、これらのイベントの準備もしなければなりません。
その結果、残業が多くなったり休暇をとりづらい場合があることが予想されます。仕事が体力的にきついことに加え、休暇をとりづらいことで疲れがたまってしまうこともあるかもしれません。
東京都福祉局が行った同調査をみると、行事やその準備だけでなく、保護者対応にも多くの保育士が負担を感じています。保育士は小さな子どもをあずかる仕事のため、常に気を張っていなければなりません。
同僚と意見が対立したり、保護者から理不尽なクレームを受けたりすることもあるでしょう。保育士は人間関係などで精神的にストレスを感じることも多い仕事であることが分かります。
保育士の仕事の魅力は?
このように給与のわりに重労働と感じやすい保育士の仕事ですが、厚生労働省の調査によると、保育士の数は2010年以降、増え続けています。例え厳しい仕事であっても、それに勝るやりがいを多くの人が感じているからでしょう。
保育士は仕事の中で子どもたちの成長を感じることができ、子どもたちにとっての特別な存在といえるでしょう。保護者から感謝のことばをかけられたり、育児についての相談をされたりすることも多いのです。つらいことも多いですが、喜びも多い仕事だといえます。
保育士の就業環境は改善傾向にある!
保育士の仕事は重労働のわりに給料が安いということは、厚生労働省や東京福祉局による調査の結果からみても事実だといわざるを得ません。しかし、年々、就業環境が改善されてもいます。
さらに保育士の平均年収は毎年増加しており、仕事の負担を軽減するための対策も行われています。仕事に不安や不満はあれど、それを上回るやりがいを感じている人が多いのも事実です。保護者としては心配になるものですが、やりたい仕事ができるようサポートしてあげてはいかがでしょうか。
出典
e-Stat 賃金構造基本統計調査 職種別
東京都福祉局 III.調査結果詳細
厚生労働省 保育士確保 保育士資格をお持ちの皆様へ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー