更新日: 2023.10.16 年収
「年収の壁」は1つではなかった!? 扶養内収入でお得を見分ける「5つの壁」とは
今回は、五つの年収の壁ごとに、支払う税金や社会保険料がどのように変わるのかについて紹介します。扶養内での働き方について悩んでいる方は、確認してみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収いくらまでなら扶養に入れる?
年収が130万円を超える場合は、扶養を外れて、社会保険料の負担が発生します。ただし、130万円に達していなくても、社会保険料が発生する場合もあります。また扶養内の収入でも、金額によっては税金が発生するため、注意が必要です。
100万円前後で住民税が発生
年収が約100万円を超えると、住民税が課されます。住民税は、道府県民税と市町村民税のことで、各自治体が独自の基準を基に料金を設定しています。たとえ100万円以下の場合でも、自治体によっては住民税の対象になる場合もあるため、確認したほうがよいでしょう。
103万円で所得税が発生
年収が103万円を超えると、所得税の課税対象となります。所得税は、1月1日から12月31日の間に得た所得に対して課せられる税金のことです。103万円が基準の理由は、給与所得控除の55万円と、基礎控除の48万円を足すと、103万円になるからです。
106万円で条件を満たしていたら社会保険に加入
一定基準を満たしたうえで、年収が106万円を超えていた場合は、扶養を外れて、社会保険への加入が必要になります。従来は、130万円を超えた場合に加入義務が発生しましたが、法律が改正されたことで、106万円を超えた段階で、以下の条件を満たしていれば、加入する必要があります。
●週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
●所定内賃金が月額8万8000円以上(年額105万6000円≒約106万円)
●2ヶ月を超える雇用の見込みがある
●学生ではない
所得には、残業代や賞与などは含まれません。なお、企業の従業員数が101人以上のところで勤務していることも、条件の一つです。また2024年10月からは、従業員数が51人以上の企業も対象になります。
130万円で社会保険に加入
130万円を超えると、企業規模に関係なく社会保険の加入対象者となり、扶養から外れます。勤務先の社会保険に加入できない場合は、国民健康保険や国民年金に加入する必要があるでしょう。
ただし、あくまでも一時的に収入が増えた場合は、130万円を超えても連続2年までならば、扶養内にとどまれるようになりました。
150万円で配偶者特別控除が満額ではなくなる
年収が150万円を超えると、パートナーの「配偶者特別控除」の額が変わります。配偶者特別控除とは、夫婦のうち一人が正社員、もう一人がパートで働いている場合で、生計も共にしているならば、正社員同様の所得控除が受けられることをいいます。
パートの収入が103万円以下の場合は、配偶者控除の対象に、103万円を超えると、配偶者特別控除の対象になります。
配偶者特別控除は、パートの収入が103万円超~201万6000円未満の場合に適用され、150万円を超えると、段階的に控除額が減っていきます。
パートナーの所得税も変わる可能性があるため、収入が150万円を超える場合は、必ず夫婦間で相談をしましょう。
将来の年金のことも考えて収入の目安を決めよう
社会保険に加入すると、国民年金に厚生年金が加わるため、将来受け取る年金が増えます。
ただし手取り額は減るため、なるべく手取りを多くもらいたい場合は、年収103万円までに抑える必要があります。また収入が150万円を超えると、パートナーの控除額も変わりますので、扶養を外れて多く稼ぐのか、外れないぎりぎりで働くのかを、夫婦でしっかり話し合って決めましょう。
出典
国税庁 家族と税 パート収入に関する税金
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー