更新日: 2023.10.26 年収

飲食で働いているのですが、「貯蓄ゼロ」ってヤバいですか? 給与が低く貯金できないのですが、ほかの業種ならもっとお金が貯まるでしょうか?

飲食で働いているのですが、「貯蓄ゼロ」ってヤバいですか? 給与が低く貯金できないのですが、ほかの業種ならもっとお金が貯まるでしょうか?
自身がやりがいを感じて選んだ仕事でも、収入が少なかったり、貯蓄ができなかったりと、収入面で不満や不安を感じる人もいるでしょう。特に、飲食業は収入面で厳しい場合も多く、貯蓄が全くできない人も少なくありません。本記事では飲食業の貯蓄や収入の現状を他業種と比較しながら解説しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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飲食業で貯蓄ゼロは珍しくない

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年調査結果」によると、世帯単位で見た時の貯蓄の全国平均は1150万円、中央値は280万円で、金融資産非保有の割合は26.9%です。
 
一方、世帯主の就業先が飲食業(同調査では「宿泊業、飲食サービス業」としてまとめられている)の場合、平均が469万円、中央値は30万円、そして金融資産非保有の割合は40.6%にもなります。
 
なお、世帯主が飲食業の世帯の貯蓄額は平均値、中央値がどの業界よりも低く、金融資産非保有の割合は最も高くなっています。
 

収入が多いほど貯蓄額も増える傾向にある

一般的に、収入が多いほど貯蓄額も大きい気がしますが、実態はどうなのでしょうか。同じく金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年調査結果」を見てみましょう。
 
同調査を見ていくと、年間の収入が上がるにつれて貯蓄額も増えています。例えば、年間の収入が300万円未満の世帯の平均貯蓄額は650万円ですが、年間の収入が300~500万円未満の世帯の平均貯蓄額は974万円です。そして、年収が上がるにつれて貯蓄額も上昇しています。
 

飲食業は他の業界よりも収入が低い傾向にある

このように、収入が低いと貯蓄額も低くなる傾向があり、実際に飲食業の収入は他の業界よりも低い傾向にあります。
 
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者1人当たりの平均給与は全体では458万円です。しかし、飲食業(同調査でも「宿泊業、飲食サービス業」としてまとめられている)は268万円と、最も低い業界です。
 

飲食業の中でも高収入の会社もある

現在飲食業に勤めていて、収入が低い場合、他の業界に移ることで収入を増やせる可能性は十分にあります。とはいえ、ひとえに飲食業と言っても全ての会社で収入が低いわけではありません。
 
例えば、スシローはホームページにて平均年収が583万円、吉野家は有価証券報告書にて平均年間給与が719万円だと公表しています。平均なので、年収の高い人が数字を引き上げている場合も考えられますし、飲食業界では全体として給与水準は高くないかもしれません。しかし、会社によっては全国平均を超える収入を得ることもできるでしょう。
 

飲食業のやりがい

飲食業は大変な面も少なくありませんが、多くのやりがいがあります。
 
例えば、さまざまな人と接することができる点です。仕事を通して、取引先の社員や従業員、お客さまといったように、多くの人と知り合いになれる機会があります。人とのつながりは人生を豊かにするので、人との出会いを楽しみたいという人には向いているかもしれません。
 
また、飲食業は他の業界と比べて未経験でも挑戦しやすいといえます。いったんアルバイトや正社員として経験を積んだうえで、独立して経営者となるという道もあります。自分のお店を持ちたい、経営者になりたいという人にとっては魅力的だともいえます。
 

まとめ

飲食業は全体として給与水準が他の業界よりも低い傾向にあり、貯蓄もあまりできないという人もいるでしょう。そのため、もっと給与の高い業界に転職すべきかと考える人もいるかもしれません。
 
ただし、飲食業には多くの楽しさがあるとともに、飲食業の中でも高収入の会社もあります。また、高収入を目指すために、独立するというのも良いでしょう。
 
飲食業に興味がある人や、現在働いている人は、将来の姿を想像しながら今後について検討していきましょう。
 

出典

金融広報中央委員会 (参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年調査結果

国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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