2023年冬のボーナス、金額は「20万円~40万円未満」が最多!? 使いみちは「貯金・預金」が10年連続でトップに
配信日: 2023.11.27
今回は、2023年冬のボーナスの傾向についてみてみます。また、ボーナスの使いみちのなかでも預貯金にフォーカスし、預貯金する人の割合や目的なども紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2023年冬のボーナス金額はどのくらい?
ポイントサービス「Ponta」を運営する株式会社ロイヤリティマーケティングは、「第59回 Ponta消費意識調査」を実施しました。同調査では、2023年冬のボーナスの支給金額を「20万円~40万円未満」と回答した人が22.7%と、最も多くなっています。
それに、21.0%で「20万円未満」、20.6%で「40万円~60万円未満」が続く結果となりました。全体の60%強が60万円未満となっています。これらには、まだ金額が確定していない人(世帯)の想定金額が含まれている点には注意が必要です。
冬のボーナスを預貯金する人の割合は減少傾向
2023年冬のボーナスの使いみちを質問したところ、最も多かった回答は34.5%で「貯金・預金」でした。冬のボーナスの使いみちは10年連続で預貯金がトップとなっていますが、割合は年々減少しています。
その代わりに突出して増えているといえる使いみちは特になく、2022年冬のボーナスの具体的な使いみちと比較すると「外食」や「株式」などが若干増えている程度です。一方で「支給されない・分からない」の割合は増えているので、預貯金に回すかどうか以前に、ボーナスを受け取れないと想定している人も少なくないといえるでしょう。
・貯金や預金の割合と目的
2023年冬のボーナスを受け取れ、使いみちで預貯金を選んだ人のうち31.2%が、ボーナス全体の「75%以上」の金額を預貯金へと回すと回答しています。これは、2022年の28.9%を上回る結果です。続いて、29.0%の人が「25~50%未満」を預貯金へと回すと回答しました。
「50~75%未満」と回答した人は23.1%となっており、いずれも、2022年よりも減っています。ボーナスを預貯金する人の割合は減っているものの、預貯金へ回す割合は増加傾向にあるといえるでしょう。
また、ボーナスを預貯金へと回す人のうち、すでにその目的が決まっている人の59.5%が「老後の生活への備え」と回答しています。それに、45.3%で「将来の消費への備え(住宅購入、子供の学費など)」、33.3%で「収入の変化への備え」と続きました。将来のためにボーナスを預貯金に回す人が多いといえます。
消費者の節約志向が高い理由
同調査では、節約志向についても調べています。その結果、2023年10月では67.0%の人が「節約したい」と回答しました。2023年6月は68.6%、同年2月では70.1%などとなっています。節約志向が非常に高い状態が継続しているといえますが、背景の一つには実質賃金の減少傾向が挙げられるでしょう。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、日本の実質賃金は下がり続けています。実質賃金指数をみると、令和元年は前年比で-1.0%となり、令和2年は前年比で-1.2%でした。令和3年は前年比で0.6%と上昇したものの、令和4年は再び前年比-1.0%となっています。
名目賃金が上昇しても、それ以上に消費者物価指数が高まってしまった結果、実質賃金は減少傾向にあります。これが、消費者の節約志向が高いままの理由の一つでしょう。
個人ではなかなかコントロールできないものでもあるため、基本的には一生懸命働いたり節約したりするなどの対策を講じることになるのです。今後、実質賃金も上昇してくれば、預貯金以外にも安心してお金を使えるようになるでしょう。
手放しでは喜べない2023年冬のボーナス事情
2023年冬のボーナスについて、60%強の人が60万円未満の支給額となっています。ボーナスの使いみちで最も多いのは預貯金ですが、預貯金する人の割合は減っています。
一方で、ボーナス全体のうち預貯金に回す割合は増加傾向がみてとれ、その目的は将来への備えとしている人が大半です。節約志向も高いままであり、将来への不安を抱いている人は少なくありません。実質賃金が上がれば、お金を使う人の割合も増えるでしょう。
出典
株式会社ロイヤリティ マーケティング 第59回 Ponta消費意識調査
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年分結果速報の解説
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー