更新日: 2023.11.29 年収

【130万円の壁が106万円に】社会保険料を支払ってでも年収を上げるほうがお得?

【130万円の壁が106万円に】社会保険料を支払ってでも年収を上げるほうがお得?
2016年から順次開始されている社会保険料適用拡大にともない、社会保険制度が改正されました。
 
今までは年収130万円以上の方が加入対象であったものが、月収8万8000円(年収約106万円)以上に引き下げられたため、新たに社会保険へ加入することになった方もいらっしゃるでしょう。
 
実際、年収を106万円以内に調整して扶養内で働く場合と、社会保険料を支払い、将来厚生年金を受け取る場合とでは、どちらがお得になるのかは気になるところです。
 
そこで今回は、上記の働き方のうち、将来的にいくらの差が生じるのかを検証します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「社会保険上の扶養」とは?

扶養とは、親族や家族から経済的な援助を受けることを指し、大きく「社会保険上の扶養」と「税法上の扶養」に分けられます。そのうち「社会保険上の扶養」とは、一定の所得以下であれば保険料を支払わずに、扶養者の年金や社会保障を受けられることです。
 
2023年11月時点での社会保険の加入条件は、以下の通りです。
 

●従業員数101人以上の企業に勤めている
●週の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である
●月収が8万8000円(年収で約106万円)以上である
●2ヶ月を超える雇用の見込みがある
●学生ではない(休学中や夜間学生や加入対象)

 
上記の条件に当てはまる方は、扶養から外れて自分で社会保険に加入し、保険料を支払う必要があります。
 
社会保険料はかかりますが、職場と折半するため、自分で支払うのは半額です。さらに保険料を支払うことで、国民年金に加えて厚生年金にも加入できるため、将来もらえる年金が増えるという仕組みです。
 

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「扶養に入ったまま」「年収106万円以上で働いて厚生年金をもらう」お得なのはどっち?

扶養内で働くために、年収106万円で調整している方もいらっしゃるかもしれません。扶養内に入っているうちは社会保険料を支払わなくて済みますが、毎月の収入が制限されてしまうだけでなく、将来、厚生年金がもらえなくなってしまいます。
 
この章では、40歳から60歳までの期間、扶養に入ったままと、年収106万円以上で働いて厚生年金をもらうのとでは、将来的にお得なのはどちらなのかを検証しました。なお扶養を外れる場合は、年収130万円の稼ぎがあると仮定して計算します。
 

年収106万円以内で被扶養者として働いたケース

年収106万円以内に調整して働く場合、社会保険料の支払いは必要ありません。40〜60歳までの20年間で、総額2120万円です。
 
ただし厚生年金の加入をしていないため、老後にもらえる年金は国民年金のみです。社会保険に加入している人と比較すると、年金受給額が減ってしまう点に注意が必要です。
 
具体的には、老齢基礎年金を毎月約5万6500円受け取り、65歳から90歳まで生きると仮定すると、総額で1695万円受け取れて、収入と合わせると3815万円です。
 

年収130万円で働いて社会保険料を支払い続けたケース

次に、扶養から外れて、年収130万円で、40~60歳の20年間働いたケースを見てみましょう。年収130万円の方は、社会保険料として年間約20万円が引かれるため、110万円の収入となり、20年間働くと総額2200万円です。
 
前述した年収106万円の場合と比較すると、20年間ですでに80万円の金額差が生じていることが分かります。
 
さらに将来は、年収106万円の人よりも多くの年金が受け取れるでしょう。
 
毎月、老齢基礎年金約5万6500円に加えて報酬比例分として1万2000円ほど多くもらえるとすると、月額6万8500円となります。月額6万8500円を65歳から受け取って90歳まで生きると仮定すると、総額で2055万円受け取れることになり、収入と合わせて4255万円になります。
 
年収額および将来受け取れる年金の総額で比較すると、年収106万円の場合は総額3815万円、年収130万円の場合は総額4255万円です。
 
その差額は440万円となり、扶養の範囲内にこだわらず、年収130万円以上稼いだほうが、お得になる可能性が高いといえるでしょう。
 

扶養内で働くよりも、扶養から外れて年収を上げるほうがお得な可能性が高い

今回の試算結果では、年収106万円以内に調整して扶養内で働き続けるよりも、社会保険料を支払いながら年収130万円を稼いだほうが、お得になる可能性は高いことが分かりました。年収の差額に加えて、老後にもらえる年金(厚生年金)が増えることが主な理由です。
 
ただし年収によって、収入の差額や、将来受け取れる年金受給額は大きく異なります。今回はあくまでも例として、参考にしてください。
 

出典

厚生労働省 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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