更新日: 2023.12.12 年収

「金持ち喧嘩せず」って実際どう?「年収」「資産額」がいくらあれば心に余裕を持てるのか解説

「金持ち喧嘩せず」って実際どう?「年収」「資産額」がいくらあれば心に余裕を持てるのか解説
「金持ちけんかせず」ということわざがあります。お金持ちの人は利益を追求しているため、損をしてしまうことの多いけんかは避ける傾向にあるという意味です。また、お金が心のゆとりへとつながり、それがけんかへと発展してしまうケースを回避しているともいえるでしょう。実際に、このことわざの通りなのかは気になるところです。
 
今回は、心のゆとりと収入や資産との関係性について考察します。
FINANCIAL FIELD編集部

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心のゆとりに必要な年収や資産額は?

コンサルティング事業を行っているUeda Keisho Corp.では、お金と心のゆとりに関する調査を実施しました。その結果から、お金と心のゆとりとの関係性をみてみましょう。
 
30~59歳の男女1000人にアンケートを行ったところ、お金と心のゆとりの関係性について、80%が「関係がある」と回答しました。「関係はない」と回答した人は、わずか6%にとどまっています。また、心のゆとりと年収には関係がないと回答した人は19%となっており、心のゆとりと資産の額には関係がないとした人は20%という結果でした。
 

・心にゆとりが持てる年収や資産額

心にゆとりを持つための年収を尋ねたところ、もっとも多かったのは25%で「700万円~1000万円未満」でした。それに、「1000万円~1500万円未満」が18%、「500万円~700万円未満」が16%とつづきます。500万円~1500万円未満で6割ほどを占める結果となりました。それ以上の年収となる「1500万円~2000万円未満」は6%、「2000万円以上」は9%と、割合としてはさほど多くはありません。
 
心にゆとりが持てる資産額については、「5000万円以上」がもっとも多く、全体の26%を占めています。以下、「2000万円~3000万円未満」が15%、「3000万円~5000万円未満」が13%、「1000万円~1500万円未満」が11%とつづく結果です。年収とは傾向が少々異なり、資産については、より高額である方が心のゆとりにつながると考える人が多い傾向がみられます。
 

日本の年収や貯蓄額の平均との比較

ここで、日本人の年収や貯蓄額の平均もみておきましょう。国税庁実施の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は458万円でした。心にゆとりを持てる年収を500万円以上と回答した人は全体の7割以上を占めており、多くの人がその金額を下回っていることになります。
 
また、金融広報中央委員会の「令和4年 家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯の平均貯蓄額は871万円でした。ちなみに、中央値は100万円です。心にゆとりを持てる資産額についても、1000万円以上と回答した人が全体の7割を超えます。収入と同様に、多くの人が心にゆとりを持つのに必要な資産額には届いていないと推定できるでしょう。
 

平穏な人生のためには自分の成長が必要

心にゆとりを持つために年収や資産額は関係ないとする人も、少数派ではありますが一定数存在しています。実際に、お金がすべてと考える人は多くはないでしょう。しかし、心にゆとりを持つには、少なくとも平均よりも収入や資産があった方がよいとする人が多いのも確かです。
 
収入や資産の多さと、けんかの有無や程度の相関関係を見いだすのは容易ではありません。しかし、心にゆとりのある状態とない状態では、後者の方が争いごとに発展する可能性は高まるでしょう。
 
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の結果をみると、日本では実質賃金も伸び悩んでいますが、これは個人ではコントロールできない現象です。心にゆとりを持ち平穏な人生を送るには、まずは自分自身と向き合う必要があるでしょう。努力や工夫をして成長できれば、収入や貯蓄の増加へとつながる可能性が高まります。周囲と争う前に、まずは自分の成長を目指しましょう。
 

お金持ちになってことわざの真偽を確かめよう

心のゆとりと収入や資産額は、無関係とはいえないでしょう。実際に、心のゆとりと収入や資産額は関係がないとする人は少数派です。
 
また、多くの人が心にゆとりを持つために必要と考える収入や資産額は、日本人の年収や貯蓄の平均を上回っています。心にゆとりを持つためにまず目指したいのは自分の成長と、それによる収入や資産の増加です。お金持ちになれれば、「金持ちけんかせず」の真偽が確かめられるでしょう。
 

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
Ueda Keisho Corp. 「心のゆとり」と「お金」に関する意識調査(PR TIMES)
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年分結果速報の解説
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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