更新日: 2023.12.26 年収
妻が育休復帰で「月収10万円」に! 年末調整にどれくらい影響がある?「配偶者控除」を受けられる条件について解説
育休から復帰すると年末調整に影響があるため、扶養控除が受けられる条件などについて把握しておきましょう。ほかにも配偶者控除を受ける納税者本人の合計所得額もポイントで、年末調整にはさまざまな要素が影響します。
本記事では妻が育休復帰で月収10万円になった場合、年末調整にどれくらいの影響があるかを解説するので、気になる人は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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配偶者控除を受けられる条件について
配偶者控除とは納税者が所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に適用される控除であり、所得控除を受けられることで所得税や住民税などが抑えられます。注意点としては配偶者がいると誰でも配偶者控除が受けられるわけではなく、12月31日時点で以下の要件を満たさなければいけません。
1.民法の規定による配偶者であること(内縁関係は対象外)
2.納税者と生計を一にしている
3.年間の合計所得金額が48万円以下(給与所得のみの場合は給与収入103万円以下)
4.青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと
これらの条件を満たしていない場合は配偶者控除が受けられません。妻が育休復帰で月収10万円になると給与収入は120万円になるので対象外です。ほかにも納税者本人の合計所得額が1000万円以下でも、配偶者控除は受けられません。また、図表1のように合計所得金額に応じて控除額も変わるので注意してください。
図表1
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 | 控除額 |
---|---|
900万円以下 | 38万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 |
950万円超1000万円以下 | 13万円 |
国税庁 No.1191 配偶者控除を基に作成
子どもが小さい間は育休などを取得して育児していても、子どもの成長に伴って手がかからなくなると社会復帰するケースは多いですが、納税者本人と配偶者それぞれに要件が定められており、配偶者控除で所得税控除を受けるためにはすべて満たす必要があります。
年末調整での申請方法
年末調整での申請方法はそこまで難しいものではないですが、申請を忘れてしまうと扶養控除が適用されません。必要になる書類は扶養控除申請書と呼ばれるもので、年末調整を受ける給与所得者は扶養家族がいてもいなくても提出を求められます。会社側は提出された申請書を参考にしながら各種手続きを進めるため、定められている期限までに提出しましょう。
具体的な書き方などについてわからない場合は適当に書いたり、放置したりせずに、担当部署に正しい書き方を問い合わせしましょう。配偶者が社会復帰して給与所得が103万円を超えた際にも提出は必要になりますが、この場合は書類の書き方が変わるので注意してください。
また、納税者本人が副業や兼業などのダブルワークで複数個所から給与所得を得ている場合、扶養控除申告書を提出するのは主たる収入を得ている先だけです。
まとめ
妻が育休復帰で月収10万円になる場合、年間給与収入は120万円なので、配偶者控除が適用される「給与収入103万円」を超えます。このように給与収入103万円を超えると所得控除がなくなるため、所得税や住民税などの各種税金が高くなる点は把握しておきましょう。また、配偶者控除が適用されなくなったとしても、扶養控除申請書の提出は必要です。
どのような理由で社会復帰するかはそれぞれの家庭によって異なりますが、配偶者控除について意識しておきましょう。
出典
国税庁 No.1191 配偶者控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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