更新日: 2024.01.09 年収

年収1000万円の会社員にも「年収の壁」がある? どんな節税をしているの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年収1000万円の会社員にも「年収の壁」がある? どんな節税をしているの?
年収が高ければその分だけ生活に余裕があるように見えますが、実は税制面に関する優遇や子どもに関する手当に対して制限を受ける場合があります。
 
本記事では、年収1000万円の会社員における年収の壁や節税方法について解説します。家族や子どもがいる、これから増える予定の会社員は、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年収1000万円以上の会社員の約7割が働き損を感じている

Sasuke Financial Lab株式会社(東京都千代田区)が運営する保険の一括比較・見積もりサイト「コのほけん!」が、2023年10月に年収1000万円以上の会社員109名を対象とした「高所得者の家計負担に関する実態調査」では、約7割が年収の増加による働き損を感じている旨を伝えています。
 
働き損を感じる具体的な事柄については、所得税/住民税が高い(75.3%)、社会保険料が高い(71.2%)、配偶者控除/配偶者特別控除が受けられない(41.1%)、児童手当の支給対象外(39.7%)といった回答が見られます。

 

年収1000万円を超えると配偶者控除を受けられない

控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1000万円を超える場合、配偶者控除を受けられません。配偶者控除は、所得税法上の控除対象配偶者がいる納税者が受けられる所得控除で、配偶者の年齢が70歳以上か以下かによって控除額が分類されます。配偶者の年齢が70歳以下の場合、控除額は図表1のとおりです。
 
【図表1】

合計所得金額 控除額
900万円以下 38万円
900万円超950万円以下 26万円
950万円超1000万円以下 13万円
1000万円超 対象外

国税庁「No.1191 配偶者控除」より筆者作成

 

給与所得控除額は年収850万円以上で一律195万円(上限)

給与所得控除は、給与所得に対して段階的に設定されています。給与などの収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)に対する給与所得控除額は図表2のとおりです。年収850万円を超える場合は、一律の上限額である195万円しか控除されません。
 
【図表2】

給与などの収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
~162万5000円 55万円
162万5001円~180万円 収入金額×40%-10万円
180万1円~360万円 収入金額×30%+8万円
360万1円~660万円 収入金額×20%+44万円
660万1円~850万円 収入金額×10%+110万円
850万1円以上 195万円

国税庁「No.1410 給与所得控除」より筆者作成

 

児童手当における年収の壁もある

年収の壁は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育する人に対して支給される、児童手当にもあります。児童手当の支給額は、子どもの年齢に応じて1人につき以下の額を支給します。
 

・3歳未満:一律1万5000円
・3歳以上小学校修了前:1万円(第3子以降は1万5000円)
・中学生:一律1万円

 
所得制限は所得額や扶養人数によって図表3のように上限が異なり、所得制限限度額以上所得上限限度額未満の場合は一律5000円の特例給付、所得上限額以上は児童手当の支給そのものを受けられません。
 
【図表3】

扶養人数 所得制限限度額 所得上限限度額
0人 622万円 858万円
1人 660万円 896万円
2人 698万円 934万円
3人 736万円 972万円
4人目以降加算額 38万円 38万円

こども家庭庁「児童手当制度のご案内」より筆者作成

 

公式サイトで申し込み

【PR】みずほ銀行カードローン

mizuho

おすすめポイント

・<金利年2.0%~14.0%
・ご利用限度額は10万円から最大800万円
・さらに入会金・年会費は無料!24時間、WEB申込受付中!

融資上限額 金利 審査時間
最大800万円 年2.0%~14.0%※1 最短当日
融資まで 来店
最短当日 -
※1 住宅ローンのご利用で、本カードローンの金利を年0.5%引き下げます。引き下げ適用後の金利は年1.5%~13.5%です。

年収1000万円の会社員が行う節税方法とは?

投資セミナーやファイナンシャルプランナー事務所を運営する株式会社FAMORE(大阪府大阪市)が、2023年9月に年収1000万円以上の1005人を対象とした「高所得者の投資状況と金融意識の実態調査」(ゼネラルリサーチ調査)によると、節約・節税として行っていることについて以下のような回答が見られました。
 

・NISA制度の利用:45.2%
・保険の見直し:29.1%
・iDeCo制度の利用:27.1%
・家計の収支を見直す:22.7%

 
調査によると、年収1000万円以上の人の4割以上が、節税方法としてNISA制度を利用しています。投資で得た収益には20.315%の税金がかかるものの、NISAを利用すると一定額までの運用益が一定期間非課税になります。

 

年収の壁を把握して適切な方法で節税をしよう

年収が増えることで、所得控除や公的サービスの制限を受けるなど年収の壁が存在します。
 
特に年収1000万円を超えている場合、配偶者や子どもがいる世帯は、配偶者控除を受けられない、給与所得控除は一律195万円、児童手当が支給されないといったことが起こり得るのです。記事内で解説した年収の壁について理解を深めて、NISA制度を活用するなどして節税を目指していきましょう。

 

出典

Sasuke Financial Lab株式会社 コのほけん! 高所得者の家計負担に関する実態調査
こども家庭庁 児童手当制度の案内
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1410 給与所得控除
株式会社FAMORE 高所得者の投資状況と金融意識
株式会社FAMORE
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集