一般企業と公務員の給与を労働時間で割って時給に換算!本当にコスパが良いのはどっち?
配信日: 2024.01.11
そこで今回は、公開されている公務員のモデルケースと一般企業の平均的な給与や実労働時間を比較して、時給換算した際にコスパがよいのはどちらなのか検証します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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一般企業の時給は?
厚生労働省発表の「令和3年度賃金構造基本統計調査の概況」によると、一般労働者の給料は男性33万7200円、女性25万3600円、男女計30万7400円となっています。
また、パートタイム労働者を除く一般労働者のといわれており、一般労働者の労働時間を月間になおすと166.7時間となるため、これをもとに時給を計算すると次のようになります。
一般労働者男性の平均月給は33万7200円なので、時給2022.8円
一般労働者女性の平均月給は25万3600円なので、時給1521.3円
ただし、年齢や業種などによって大きく実態は異なります。
公務員の時給は?
内閣官房内閣人事局発行の「国家公務員の給与(令和3年版)」によると、公務員の給与は国家公務員か地方公務員か、役職や号俸(役職内の階級)で変動します。
例えば1級係員の1号俸給であれば14万6100円です。これが1級係員最高の93号になると24万7600円まで増加します。10級課長の場合、1号俸給は52万1700円、最高の21号になると55万9500円です。
公務員の勤務時間は、1週間あたり38時間45分、1日あたり7時間45分の勤務時間を基本として働いています。1ヶ月の労働時間を38時間45分✕4週=155時間とした場合、公務員の時給を計算すると次のとおりです。
1級係員の1号俸級は14万6100円なので、時給942.6円
10級課長の1号俸級は52万1700円なので、時給3365.8円
ただし、この数値はあくまでも基本給を時給換算したものであり、実際には手当などが付くため金額が変動します。
同資料に記載されているモデルケースを参考にすると、25歳・係員・月給19万3900円なら時給1251円。50歳・地方機関課長・月給41万3200円なら時給2666円。50歳・本府省課長・74万9400円なら、時給4834.8円です。
平均的な数字を比較するとコスパに優れるのは一般企業
以上の結果から、時給に焦点を当てた場合によりコスパに優れるのは一般企業です。
これは、政府が一般企業に対して非正規雇用を含めた最低賃金の上昇を熱心に訴えたこともあり、最低賃金が上昇しているのに対し、公務員の給与は減少していることからも同様の結果が分かります。
ただ実際には、勤務先の給与体系による部分が大きいため、実情と照らし合わせて判断しましょう。
自分が働く環境に照らし合わせてコスパを判断する
一律の給与体系である公務員に対して、一般企業の給与体系は多種多様です。同じ年齢、職種でも給与や労働時間がまったく違うことも少なくありません。
つまり、公務員と一般企業のコスパを比較するためには、実情に即した数字で比較する必要があります。自分が勤務する環境、もしくは目指している企業の環境をもとにコスパを判断しましょう。
出典
内閣官房内閣人事局 国家公務員の給与(令和3年版)
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー