銀行員は「高年収で将来も安泰」って本当? 平均年収や将来性について解説
配信日: 2024.01.21 更新日: 2024.01.22
今回は、銀行員の仕事内容から年収、将来性についてまとめ、人々のイメージと合致しているかをみていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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銀行員の仕事内容
銀行に行くと、窓口で預け入れや引き出しなどの対応をしてくれる人がいます。銀行員の仕事として、この窓口対応を最初にイメージする人も多いでしょう。窓口担当者はテラーとも呼ばれ、口座への入出金の他にも、送金や両替などの業務を行っています。
顧客からの簡単な相談を受けたり担当者へと引き継いだりといった対応をするのもテラーの業務です。銀行を訪れた企業や個人への融資にかかわる業務も、銀行員が行う仕事となっています。個人では、住宅ローンを組む際にお世話になる人も少なくありません。
企業や個人を訪問し、金融商品などの営業活動を行う渉外担当と呼ばれる人たちもいます。顧客から預かったお金を元に株式や債券などの売買を行うのはディーラーの仕事です。その他、企業買収のアドバイスや貸金庫の管理など、お金に関わるさまざまな業務を各銀行員が行っています。
銀行員の年収はいくら?
銀行員の年収をみる前に、まずは日本の平均年収をみておきましょう。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、平均年収は458万円となっています。
銀行員の平均年収は、株式会社東京商工リサーチの「国内69銀行 平均年間給与調査」によると617万8000円となっています(令和4年度)。中央値は613万7000円であり、平均と大きな差がありません。年収が極端に多い人や、逆に少ない人に偏っておらず、また、安定して昇給していくことが、ここからもうかがえます。
ちなみに、大手銀行の平均年収は793万4000円、地方銀行でも631万6000円と、高い水準です。日本の平均年収と比べても、銀行員全体では160万円ほど、大手銀行員では300万円以上も多いので、銀行員は高収入であるといわざるをえません。少なくとも収入に関しては、一般的な人の抱くイメージとそこまで大きなギャップはないでしょう。
銀行員は将来も安泰?
これほどに高い年収であれば、銀行員の将来は安泰だと多くの人が感じるでしょう。しかし、時代の移り変わりにより、銀行員でも必ずしも安泰とはいえなくなってきています。例えば、財務総合政策研究所のレポートによると、預貯金取扱金融機関の店舗数は減少傾向にあります。大手銀行は2001年から2021年までに店舗数が26%の減少、地方銀行も13%の減少となっています。
みずほフィナンシャルグループは2017年に、2026年度までに1万9000人を削減する予定であると発表している点も無視はできないでしょう。もちろん、これだけの人数を解雇するとは限りません。
定年を含めた退職者よりも少ない採用人数へととどめ、徐々に減らしていくとみられます。とはいえ、規模を拡大する時代は過ぎているといわざるをえない状況です。時代がさらに変われば、他の銀行も含め、解雇者が出るリスクもありえます。
店舗数や銀行員数の減少には、キャッシュレス化や手続きのオンライン化が進んでいることが影響していると考えられます。一方で、銀行員の人数と年収が比例しているわけではない点には注意が必要です。店舗数は減っているものの、銀行員の平均年収はこの10年で増加傾向にあります。これまでと業務内容が変わる可能性はあるものの、銀行はこれからも必要なものであり続けると考えられるでしょう。
銀行員が携わる仕事内容が変わる可能性は高い
多くの人が、銀行員は高年収であるというイメージを持っているでしょう。実際に、日本の平均年収と比べると、銀行員の平均年収は160万円ほど多いというデータがあります。大手銀行であれば、さらに高年収です。
しかし、金融機関の店舗数は減少傾向にあり、キャッシュレス化やオンライン化により、今後はさらに減ると予想されます。銀行員の高年収はすぐには変わらないとみられるものの、携わる仕事内容は変化していくでしょう。
出典
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
株式会社東京商工リサーチ 国内69銀行 「平均年間給与」調査
財務総合政策研究所 都道府県別預貯金残高と業態別金融機関店舗数の変遷
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー