更新日: 2024.01.29 年収
将来安定した収入を得たいです。「専修学校卒」と「大卒」では初任給に大きな差が出ますか?
本記事では、専修学校卒と大学卒に焦点を当てて、初任給の違いを比較していきます。産業別の初任給も紹介しますので、就職のタイミングでお悩みの方は、お役立てください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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専修学校とは
専修学校とは、仕事や生活に必要な能力を育成、または教養の向上を図ることを目的に設立された学校を指します。実践的な職業教育や専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたるスペシャリストの育成を目指している点も特徴の一つです。
専修学校には、専門課程・高等課程・一般課程の3つの課程を設置できます。入学資格は、専門課程が高校卒業者、高等課程が中学卒業者、一般課程は特に入学資格が設けられていません。専門課程をおく専修学校を、一般的には「専門学校」と呼んでいます。
専修学校卒と大学卒の初任給の差を比較
厚生労働省が掲載している「令和5年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」をもとに、専修学校卒と大学卒の初任給を紹介します。
令和5年卒業の専修学校生の初任給は、20万円です。一方、令和5年卒業の大学生の初任給は、21万2500円です。初任給のみで比較してみると、大学卒のほうが1万2500円高いことが分かります。
専修学校卒の産業別初任給
令和5年に専修学校を卒業して就職した方の初任給を、産業別にみてみましょう。ここでは収入が高い5つの産業を紹介します。
不動産業・物品賃貸業 | 22万円 |
金融業・保険業 | 21万5600円 |
教育・学習支援業 | 21万3500円 |
建設業 | 21万円 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 21万円 |
※参考リンクをもとに筆者が作成
専修学校卒業者の初任給が最も高い産業は不動産業・物品賃貸業で、22万円です。収入が高い上位5つの産業を比較してみると大きな開きはなく、1番目の不動産業・物品賃貸業と5番目の生活関連サービス業・娯楽業でも、差額は1万円ほどであると分かります。
大学卒の産業別初任給
令和5年に大学を卒業して就職した方の初任給を、産業別にみてみましょう。ここでは、収入が高い5つの産業を紹介します。
金融業・保険業 | 23万円 |
建設業 | 22万5000円 |
不動産業・物品賃貸業 | 22万4900円 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 21万8200円 |
教育・学習支援業 | 21万5600円 |
※参考リンクをもとに筆者が作成
大学卒業者の初任給が最も高い産業は金融業・保険業で、23万円です。専修学校卒業者の初任給と比較してみると、金融業・保険業、建設業では大学卒が1万5000円ほど高いものの、不動産業・物品賃貸業、教育・学習支援業、生活関連サービス業・娯楽業では、1万円以内の差であることが分かります。
産業別で比較してみた場合でも、大学卒の初任給のほうが高い傾向にありますが、働く産業によってはあまり差が発生しない場合もあるようです。そのため、専修学校を卒業して就職するか、大学を卒業して就職するかは、自分が働きたい業界によって決めるとよいでしょう。
将来働きたい産業を決めてから進路を選択しよう
専修学校とは、専門課程・高等課程・一般課程のいずれかを設置する学校すべてを指しており、そのうち専門課程をおく専修学校を、一般的に専門学校と呼んでいます。専修学校卒と大学卒の初任給を比較してみると、専修学校卒が20万円、大学卒が21万2500円のため、大学卒業者のほうが高いことが分かります。産業別に初任給を確認してみても、大学卒業者のほうが高いといえるでしょう。
しかし、産業によっては、専修学校卒と大学卒で大きな差が発生しない場合もあります。そのため、専修学校卒で就職するか、大学卒で就職するかを迷った際は、自分が進みたい産業の初任給を確認してみるとよいでしょう。例えば、早く社会に出て経験を積みたいと考えている場合は、差が少ない産業に、専修学校を卒業して就職するのも一つの手段といえるでしょう。
出典
厚生労働省 学卒者の初任賃金(令和5年3月新規学卒者の求人初任給賃金調査)
表2 年別・学歴間求人初任給格差(6ページ)
表3 産業別・規模別・職業別求人初任給(大学)(7ページ)
表5 産業別・規模別・職業別求人初任給(専修) (9ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー