中学生の子どもが「新聞配達をしたい」と言っています。「自分でお金を稼ぎたい」という理由ですが、中学生でも可能なのでしょうか? あまり負担なく社会勉強になるなら許可したいと考えています
配信日: 2024.01.30
そこで本記事では、新聞配達員の具体的な仕事内容や、収入などについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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新聞は「戸別配達」によって支えられている
日本新聞協会によると、2023年10月時点の同協会加盟日刊紙110紙の総発行部数は、約2859万部です。また、同年同月の新聞の戸別配達率は、約96%となっています。総発行部数は前年比7.3%減とはいえ、世界的にも高い発行部数を維持できているのは、新聞のほとんどが戸別配達されていることが要因として挙げられます。
戸別配達によって、わざわざ買いに行く手間が省けるため、スマホやタブレット、パソコンで読める無料のネットニュースが普及しても、これほどの発行部数が維持できているのです。
中学生でも「新聞配達」は可能
満13歳以上であれば、非工業種に限って働くことができます(健康および福祉に有害でなく、労働が軽易であることが条件)。そのため、満13歳以上であれば、中学生が新聞配達員になることは可能です。
ただし、中学生が自分の判断だけで働くことはできません。満13歳以上の中学生が働くためには、保護者の同意や中学校長の許可が必要です。
そのうえで、「親権者(後見人)の同意書」と「中学校長の証明書」と「年齢証明書」を、事業主を通じて所轄の労働基準監督署長に提出します。なお、未成年は午後8時から午前5時までは働けず、さらに中学生が働いても良いのは、原則「修学時間外」となっています。
新聞配達員の仕事内容と収入
新聞配達員は、朝刊や夕刊を各家庭に戸別配達するのが主な仕事です。ただし、戸別配達だけが新聞配達員の仕事ではありません。配達の前には、折り込みチラシを新聞に挟み込む作業なども行うこともあります。新聞配達員の就業場所と具体的な仕事内容や収入は、以下のとおりです。
・就業場所
新聞配達員の就業場所は、新聞社ではなく新聞販売所です。新聞社で作成された原稿のデータは印刷所に送信され、印刷完了後に各地域の新聞販売所に運ばれます。そこから各家庭に配達されるため、新聞配達員は新聞販売所に雇用されることになります。
・仕事内容
新聞配達員の仕事は、新聞に折り込みチラシを挟み込むことから始まります(悪天候の日には、新聞にビニールを被せる作業もある)。その作業を終えると、戸別配達に出発します。配達の足はバイクや自転車が一般的ですが、脚力に自信があれば徒歩での配達も可能でしょう。
配達は自分が担当する家庭の名前、順路、新聞の種類が書かれた「順路帳」に従って行います。なお、効率的に配達するためには、「順路帳」のデータを暗記する必要があります。
・平均時給
大手求人サイトによると、2024年1月9日時点の新聞配達員の全国平均時給(アルバイト・パート)は、1086円です。仮に2~4時間働くとすると、日給で2172~4344円程度です。なお、厚生労働省によると、2023年度の最低賃金の全国平均は1004円のため、新聞配達員の時給は、おおむね最低賃金の全国平均と同程度ということになります。
新聞配達を許可する場合は、学業に支障が出ないように注意しよう
保護者、中学校長、所轄の労働基準監督署長の同意や許可があれば、中学生(満13歳以上)でも新聞配達のアルバイトは可能です。ただし未成年の場合、午後8時から午前5時は働けないため、配達は夕刊のみとなるでしょう。
中学生であっても、さまざまな理由でアルバイトをしたいと思う人もいるかと思います。しかし。学生の本分はあくまで学業です。「お金を自分で稼ぐ」という貴重な経験ができるからといって、学業がおろそかになっては本末転倒でしょう。新聞配達のアルバイトを許可するにしても、学業に支障が出ないように保護者が注意を払うことが大切です。
出典
一般社団法人日本新聞協会 新聞の戸別配達率
一般社団法人日本新聞協会 日刊紙の都道府県別発行部数と普及度
厚生労働省 新聞配達員
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー