更新日: 2024.02.13 年収
【今まで頑張ってきたのに…】40代会社員ですが、「年功序列賃金をやめて能力給」にすると言われました。能力給のメリット・デメリットとはなんでしょうか?
そこで今回は年功序列と能力給、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきますので、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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能力給の会社はどれくらいある?
フォー・ノーツ株式会社が全国のオフィスワーカー400人に対して行った「年功序列をはじめとする人事評価制度に関する意識調査」によると、70%以上の人の勤務先が、年齢の上昇とともに給与が増える年功序列であると答えています。つまり、能力給が採用されている会社は全体の30%未満であると考えられます。
厚生労働省によると、年功序列に明確な定義はないものの、一般的に勤続年数や年齢の上昇に合わせて給与も上昇する仕組みとしています。
同様に、能力給についても統一的な定義はありませんが、勤続年数や年齢に関係なく仕事の難易度や発揮した能力による成果を重視したものとしています。
年齢給のメリット・デメリット
厚生労働省によると、勤続年数や労働者の年齢の上昇にあわせて給与が上がる「年齢給」には主に次のようなメリット、デメリットがあります。
●年齢を基準にしているので誰にでも分かりやすい
●ライフステージごとの最低生活費が保証される
●給与があがっていく安心感があるので、長期勤続を促進する効果がある
●仕事と賃金が一致しないため異動しやすい
●同じ仕事をしていても賃金が異なる
●業績や成績などの労働者の働きぶりと賃金が一致しない
●企業の業績と無関係に賃金コストが増減する
●年齢の上昇と賃金コストが直結するため賃金水準の低い若年労働者に不平が生じる可能性がある
●日本独自の賃金制度のため国際性がない
年齢給は、誰が見ても分かりやすい給与体系でありますが、若い世代や勤続年数が少ない方にとっては給与が上がりにくく、モチベーションを保ちづらくなる恐れがあります。
能力給のメリット・デメリット
同じく厚生労働省にて、労働者の能力や成果に応じて給与を決める能力給には、次のようなメリットとデメリットも記載されています。
●職種を越えた人事異動がしやすい
●労働者個人の能力開発を促すことができるため企業の長期的な発展が期待できる
●能力が低下しない限り基本給は下がらないため、長期勤続を促す効果がある
●昇進と昇格を切り離すことで、ポストが不足しても昇格が可能
●ポストがなくても昇格できるため人件費が上昇する
●職務遂行能力の定義が抽象的であるため、経験年数の多い人が評価されやすい
能力給は年齢に関係なく、労働者の能力に応じて給与が上がるため、若くして実力相応の給与アップを目指す方には向いているのかもしれません。
給料が下がっても最低賃金は保証される
年齢給から能力給になり、給与が下がってしまうのではと不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最低賃金法では各都道府県の最低賃金を定めており、会社側はその最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければならないとしています。
※出典:e‐GOV法令検索「昭和三十四年法律第百三十七号 最低賃金法 第四条 第九条」
万が一給与が下がってしまっても、最低賃金分は保証されるというわけです。
支給された給与が最低賃金以上かどうかは、次の方法で確認できます。
職能給の場合、支給された賃金の総額÷総労働時間数で1時間当たりの金額を算出し、各都道府県の最低賃金額(時間額)と比較します。算出した金額が万が一各都道府県の最低賃金より低い場合は、会社に未払い分を請求できます。
※出典:厚生労働省「最低賃金金額以上かどうかを確認する方法」
能力給は働き次第で給与アップできるチャンスがある
能力給は、勤続年数や年齢に関係なく、労働者の能力や成果で給与が決まるため、どの年齢の人でも給与アップできるチャンスがあります。
また、年功序列から能力給になり給与が減ってしまった場合でも、最低賃金分の給与は保証されます。
能力給は、努力次第で給与アップを目指せるので、給与を上げたい方は積極的にスキルアップに努めていきましょう。
出典
フォー・ノーツ株式会社 年功序列をはじめとする人事評価制度に関する意識調査 Q3(PRTIMES)
厚生労働省
労働条件に関する総合情報サイト 確かめよう労働条件 Q&A
最低賃金以上かどうかを確認する方法
デジタル庁 e-GOV法令検索 昭和三十四年法律第百三十七号 最低賃金法 第四条 第九条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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