更新日: 2021.11.01 年収
サラリーマンが生涯年収の壁を突破する方法 友達と差をつける為にするべきこと
どんな家を買いたいか、子供は大学まで行かせるのか、旅行はどれくらい行きたいか、老後はどんな生活がしたいかなど、人生の計画を立てることです。
我々ファイナンシャルプランナー(FP)の世界では、「ライフプラン」とは、このような人生の計画にキャッシュフロー表をあわせたものを指します。ちなみにライフプランは和製英語です。
たいていのFPの場合、ライフプランを作成するとき、まずはいったん収入や預貯金を気にせずに実現したいことを考えてもらうため、よほど余裕のある家庭でない限りは、キャッシュフローがマイナスになります。
そうすると「やっぱり住宅の価格を下げよう」となったり、「教育費のために遊びに行くお金は節約しよう」となったりと、だんだん夢がしぼんでいってしまうことが多くあります。なぜなら、サラリーマン家庭の場合、だいたい予想できる「生涯年収」という壁があるからです。
執筆者:萬實赳志(ばんみ たけし)
AFP認定者
1988年4月5日大阪生まれ大阪育ち。
大学卒業後、「家庭の経済事情で進学できない子供を0にしたい」という思いから生命保険業界を志し、
国内大手生命保険会社入社。営業職員支援・教育に携わる。震災直後後の福島県にも2年間赴任。
その後自ら直接お客様に保険の大切さを伝えたいという思いから、生命保険販売のプロとなるべく外資
生命保険株式会社に入社。一社専業FPとして2年半セールスに携わり、毎週連続契約40週以上での表彰、
部門別表彰では全国5位となるなどお客様から評価いただく。
一社専属のセールスパーソンではお客様をお守りしきれないことに限界を感じ、さらに大きな安心、
多くのサービスをお客様に提供したいという思いから、独立系FPの集団である日本ファイナンシャル
プランニング株式会社の創業期に参画。現在に至る。
モットーは「家庭円満」。趣味は映画鑑賞、読書、妻と出かけること。
生涯年収の壁を突破する方法は?
サラリーマンの方の生涯年収は高卒か大卒か、また、会社の規模や給与体系によって違いますが、周りの従業員の方に聞けばだいたい分かります。
それが仮に退職金も含めて3億だとすると、「3億+公的年金」がライフプラン実現のために使える金額のMAXになります。ライフプランで実現したい夢にかかる金額がこれを超える場合は赤字になってしまいます。
これを回避するための方法は大きく分けて2つあります。
1つは「生涯年収+公的年金」の範囲内で収まるようにライフプランを修正することです。もちろん無駄を省くことは重要ですが、たった一度しかない人生、本当に実現したいことを諦めたりするのはつらいですよね。
もう1つは入ってくるお金を増やすことです。
これには、大きく分けて2つあり、1つはより待遇の良い会社に転職したり、スキルを上げて出世したりして収入を上げることです。専業主婦の奥さんがいる家庭なら、奥さんに働いてもらって収入を上げることもできます。
ただ、状況によってはそれが困難な場合もあるでしょう。そこで、もう1つの方法として有効なのが、金融資産を運用して増やしておくことです。
金融資産を運用しているかどうかで差がつく
毎月の収入やボーナスの一部を貯金している方は多いと思います。
その貯金の仕方が現金貯金や銀行預貯金の場合だと、預貯金金利は0に近いので、生涯年収の一部がそちらに移動しても、トータルの資産は増えません。「生涯年収+公的年金」以上にはならないわけです。
ポイントは生涯年収の一部を移動させる運用先として、運用することでしっかりとお金が増える金融商品を選ぶことです。そうすることで、サラリーマン家庭でも「生涯年収+公的年金」の金額以上の金融資産を持つことができ、実現したいライフプランに幅を持たせることができます。
バブルの頃と違う低金利の現在では、5~10年先に使うお金を運用して増やすには、相応のリスクをとらなくてはなりません。しかし、15年以上の長期運用であれば、積み立て投資や変額保険を使ってリスクを抑えて運用できます。このような長期運用の目的として代表的なものが、老後の生活資金です。
金利の高いもので長期運用しておけば、老後の生活資金として貯める目標額に対し、現預金で準備するよりも少ない金額で、同じ額を準備することができます。
つまり、毎月貯金する金額の中で、老後のための貯金の占める割合が小さくて済むということです。同じ金額を貯金しても、長期運用を活用すれば5~10年先に使うお金を増やすことができます。長期運用は短期的な資金作りにも効果があるのです。
このように、今から長期的な視点に立って金融資産を運用するかどうかで、将来的な豊かさだけでなく、目前の豊かさという点でも周囲と差をつけることができるのです。
ご家庭のライフプランを1つでも多く実現するために、まずはライフプランをしっかり立てること、そして、しっかりと金融資産を運用していくことを検討してみてください。
Text:萬實赳志(ばんみ たけし)
AFP認定者