更新日: 2024.03.07 年収

【統計の罠】「平均年収545万円」などの表記を見かけますが、「年収1億円」の人が一人でもいたら参考にならないデータになりませんか?

【統計の罠】「平均年収545万円」などの表記を見かけますが、「年収1億円」の人が一人でもいたら参考にならないデータになりませんか?
テレビを見たり新聞を読んだり、あるいはSNSを眺めたりしていると、お金の話題を見聞きするケースが多々あります。年収や貯蓄が話題にのぼる際に示されることの多いのが平均の値です。しかし、ここで疑問が生じます。平均年収545万円などの表記があった場合、そこに年収1億円の人が1人でも含まれていると、国民など調査対象者の実態とはかけ離れてしまうのではないかというものです。今回は、この点について考えてみましょう。
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日本人の所得の平均と中央値

まずは、厚生労働省が行っている「国民生活基礎調査」の結果から、日本人の所得の平均と中央値を押さえておきましょう。令和4年の同調査結果によると、日本人の平均所得金額は545万7000円でした。一方の中央値は423万円と、平均と比べて100万円以上も低くなっています。
 
調査対象者は同じであるにもかかわらず、ここまで差が生じると、どちらを参考にしたらよいのかわからなくなってしまうのも仕方がありません。この点は、しばしば「統計の罠」などと表現されることがあります。
 

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平均と中央値の違い

国民生活基礎調査からもわかるように、平均と中央値には差が生じるケースが少なくありません。ここでは、平均と中央値について整理します。平均に関しては、理解している人が多いでしょう。調査対象となる人などから得られた数字データを合計し、それを調査対象の数で割って算出されたものが平均の値です。平均年収の場合は、調査対象者の年収をすべて足し、それを調査対象者数で割って導き出されます。
 
例えば、以下のようなデータがあるとしましょう。A〜Jまで10人の年収を順番に並べたものです。

A:185万円
 
B:210万円
 
C:270万円
 
D:320万円
 
E:350万円
 
F:370万円
 
G:425万円
 
H:500万円
 
I:620万円
 
J:830万円

上記の例では、10人の年収の合計は4080万円です。4080万円を10で割ると408万円となるので、この10人の平均年収は408万円となります。
 
つづいて、中央値を考えます。中央値とは、調査対象となる人などを順番に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する調査対象の数字です。調査対象数が偶数の場合は、中央に位置する2つのデータの平均が中央値となります。上記の年収例であれば、調査対象者は10人のため、ちょうど真ん中に位置する人はいません。
 
この場合、中央値は5番目と6番目の2人の平均の値となります。5番目の人(E)の年収は350万円で、6番目の人(F)の年収は370万円です。2人の年収の平均は360万円なので、上記の10人の年収の中央値は360万円となります。国民生活基礎調査と同様に、平均と中央値にはそれなりの差が生じました。
 
・年収1億円の人が含まれていた場合は?
 
上記の例の10人のうちA〜Iまでの人の年収はそのままで、Jの人の年収が1億円だったとしましょう。この場合、10人の年収の合計は1億3250万円となります。1億3250万円を調査対象者数である10で割ると1325万円となるため、この10人の平均年収は1325万円です。1人の年収が1億円になっただけで、Jの人の年収が830万円のときと比べて、平均年収が900万円以上も上がってしまいました。
 
しかし、Jの人の年収が1億円であったとしても、10人の年収の中央値は変わりません。10人の中央に位置する5番目の人(E)の年収と6番目の人(F)の年収は変わらず、2人の平均年収は360万円であるためです。
 

統計はあくまでも参考程度に活用しよう

年収などの統計を参考にする際には、平均だけではなく中央値も確認しましょう。調査対象者数が多ければ、平均の値も参考にならないとまではいえません。しかし、やはり中央値とは差が出るケースが多々あります。どちらも参考程度としつつ、目標設定や転職、貯蓄などに生かしていくとよいでしょう。
 

平均と同時に中央値も確認しよう

統計データをみると、平均と中央値がそれぞれ記載されていることがあります。また、これらには差があるケースが少なくありません。特に年収や貯蓄の平均の値は、一般的な人と比べて年収や貯蓄が非常に多い人が引き上げているのが普通です。とはいえ、調査対象者がとても多い統計などでは、参考にならないというほどの差は生じにくいでしょう。平均や中央値の概念を理解したうえで統計と向き合うことが大切です。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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