更新日: 2024.07.06 年収
年収400万円の夫は「こんな給料じゃ住宅購入は無理」と言います。年収がいくらになったら買えるのでしょうか?
実際に、年収400万円未満の人が住宅ローンを組めるケースもあり、最終的なゴールは申し込むことや審査通過ではなく、借りたお金の完済です。
本記事では、住宅ローンを組んでいる世帯の年収別利用割合をはじめ、適正な返済比率はどのくらいなのかなどを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年収400万円でも住宅を購入できる
住宅金融支援機構の「2022年度 フラット35利用者調査」による、「世帯年収別」利用割合の推移は、図表1のとおりです。
【図表1】
年収 | 利用割合 |
---|---|
400万円未満 | 19.9% |
600万円未満 | 39.2% |
800万円未満 | 21.5% |
1000万円未満 | 9.5% |
1200万円未満 | 4.3% |
1200万円以上 | 5.6% |
※住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」より筆者作成
平均世帯年収は634万円で、利用割合が最も多いのは年収600万円未満の世帯でした。ただし、年収400万円未満の世帯が19.9%となっており、年収400万円でも住宅の購入を諦めなくて済むことが調査を通して把握できるでしょう。
世帯年収400万円超500万円以下になったら住宅を購入したいと考える人が多い
「訳あり物件買取ナビ」を運営する株式会社AlbaLink(東京都江東区)が、2023年10月25日~11月5日にマイホームを持ちたいと考える501人を対象とした、「マイホーム購入のタイミングに関する意識調査」を実施しました。
調査結果によると、「世帯年収がいくらを超えたらマイホームを買いたいか」の平均は世帯年収712万円です。しかし、世帯年収別の割合は図表2のとおりで、調査対象のうち割合が最も高かったのは世帯年収400万円超500万円以下でした。
【図表2】
年収 | 割合 |
---|---|
~300万円 | 3.0% |
~400万円 | 9.0% |
~500万円 | 24.4% |
~600万円 | 19.4% |
~700万円 | 7.0% |
~800万円 | 14.4% |
~900万円 | 2.0% |
~1000万円 | 13.4% |
1000万円超 | 6.6% |
未定 | 0.8% |
株式会社AlbaLink 訳あり物件買取ナビ「マイホーム購入のタイミングに関する意識調査」より筆者作成
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の1人当たりの平均給与は458万円(男性563万円、女性314万円)です。これらの結果から、自身の給与が平均年収を超えたころに、住宅購入を検討する人が多いと考えてよいでしょう。
住宅ローン契約に重要なのが返済比率
住宅ローンを契約する際には、返済比率が重要視されます。返済比率は「年収に対する年間返済額の割合」のことで返済負担率とも呼ばれています。返済比率が高くなると、余裕を持った返済ができず、返済不能に陥るリスクが高いとみなされるでしょう。そのため、返済比率が低いほど、住宅ローン審査を通過する可能性が高められます。
例えば、フラット35では借入時に最低年収などの制限を設けていませんが、返済比率の基準を以下のように定めています。
・年収400万円未満:上限30%
・年収400万円以上:上限35%
また、民間の金融機関は返済比率の上限も30~40%程度であることが一般的です。
年収400万円の人の借り入れ可能額
年収400万円の人が融資金利1.960%、返済期間35年、元利均等返済で住宅ローンを組む場合、借入金額3037万円までなら返済比率30%以内におさえられます。ただし、返済比率を30%以内におさえて申し込めば、住宅ローン審査を通過できるわけではありません。返済比率以外の審査項目に問題点があれば、住宅ローンを組めない可能性を高めます。
住宅購入の際に頭金が必要と考える人は9割
住宅の購入価格が高く、返済比率の上限内におさめられないことも想定できます。そのようなときは、頭金の用意を検討してみてください。
株式会社エルスタット(愛知県名古屋市)が2023年10月に、自己資金がない、または借り入れがあるが住宅の購入を検討する1008人を対象に行った「『住宅ローンと物件購入』に関する調査」を行いました。
その結果によると、頭金の必要性を感じていると回答した人は86.7%です。頭金をどのくらい用意すればよいのかの質問については、101〜300万円(33.1%)が最も多く、次に51〜100万円(25.7%)、301~500万円(23.3%)と続きます。
無理のない返済計画を立てて住宅を手に入れよう
年収がいくらになったら住宅を購入できるという、明確な決まりはありません。年収400万円で住宅を購入している人は、ある程度います。住宅ローンの返済比率の上限を把握し、無理のない返済を継続できる計画を立てましょう。返済計画に不安がある、自信がない場合は金融機関に相談してみるのも方法の一つです。
出典
住宅金融支援機構 2022年度 フラット35利用者調査
株式会社AlbaLink 訳あり物件買取ナビマイホームは「何歳」で「年収」がいくらを超えたら買う?
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
住宅金融支援機構 よくある質問 Q フラット35 年収による借入額などの制限はありますか。
株式会社エルスタット 住宅購入者のおよそ9割が頭金を必要だと感じている!頭金はいらない!?借入があっても住宅購入できる方法とは!?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー