更新日: 2024.07.10 年収
夏のボーナスが去年より上がって「50万円」でした! でもニュースでは「平均80万円」と聞き、なんだかショックです。世の中の人はみんなそれだけもらってるんでしょうか…?
ニュースで「ボーナスの平均は80万円」と見聞きし、「自分は今回50万円もらえたけど、世間はこんなに多くもらっているのか」とショックを受ける人もいるかもしれません。
しかし、調べてみると実は50万円は、ボーナスの金額としては多い方です。どういうことか見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「ボーナス平均80万円」は東証プライム上場企業が対象
今年のニュースで「ボーナスの平均は80万円」というようなことを見聞きしたことがある人もいるでしょう。この情報は間違いではありませんが、実は条件があります。
条件とは、「東証プライム上場企業が対象」という点です。一般財団法人労務行政研究所は2024年夏のボーナスについて東証プライム上場企業のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業を調査対象とし集計しています。そして、調査対象のうち回答があった114社の妥結額の全産業平均が84万6021円なのです。
東証プライムに上場するには、株主数や純資産の額など定められた基準を満たさなければなりません。一般的な企業の中でも財政状態が良い企業が対象となるため、基本的には給与や賞与の水準も比較的高いといえます。
そのため、東証プライム上場企業がベースの平均賞与額を基準として、「自分の50万円は平均以下だ」と落ち込む必要はありません。
厚生労働省のデータではボーナスの平均は40万円くらい
東証プライム上場企業ではなく、世間一般的な企業でのボーナス平均はどれくらいなのでしょうか。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、事業所規模5人以上の事業所において、2023年夏のボーナス平均は39万7129円、2023年冬のボーナス平均は39万5647円です。
どちらも平均では40万円程度です。2024年のボーナスは増額されたという会社も多いようですが、それでも、ボーナスの金額が50万円であれば、一般的な平均と比べると少ないどころか多い方だといえるのではないでしょうか。
ボーナスが思ったより少なかった場合の対処法
ボーナスの金額が多かった人もいれば、少なかった人や、中にはもらえなかったという人もいるでしょう。
会社は就業規則などで「ボーナスは基本給の2ヶ月分を支払う」などと明記している場合には支払わなければなりませんが、法律でボーナスの支給が義務付けられているわけではありません。
そのため、会社の業績などによってはボーナスが支払われなかったり、思っていたよりも少なかったりすることも考えられます。もしもボーナスの金額が思ったよりも少なく、金銭的に困った場合、どう対処すれば良いのでしょうか?
「今回ボーナスが少なかったから、次でもらえるようにがんばる」という人もいるかもしれませんが、1人の力で会社の業績を好転させることは困難でしょう。また、昇進を狙うにしても、一朝一夕にはいかないでしょう。そのため、少しでもお金を稼ぐという意味では、取りあえずは残業するというのが選択肢に上がります。
家庭の事情や会社の規制などで、残業は難しいという人もいるでしょう。その場合、副業を視野に入れても良いかもしれません。昨今は多くの会社で副業が解禁されているため、一度会社の就業規則などを確認してみましょう。
もしも、会社の業績が好調にも関わらず、ボーナスが減額され、減額の理由がきちんと説明がない場合には、転職を視野に入れてもよいかもしれません。これからの時代、人材を大切にできない企業は成長を続けることは困難です。ボーナスが全てではありませんが、仕事内容や給料、そのほかの条件も踏まえ、場合によっては転職を考えても良いでしょう。
まとめ
「ボーナスの平均が80万円」というのは東証プライム上場企業の一部であり、一般的には40万円程度が相場です。そのため、50万円もらっていれば十分な金額といえます。
また、ボーナスはほかの人の金額が気になるかもしれませんが、自分がどう使うかも大切です。周りを気にしすぎず、計画的にボーナスを活用しましょう。
出典
一般財団法人労務行政研究所 東証プライム上場企業の 2024 年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー