更新日: 2024.07.17 年収

妻が子どもを幼稚園から大学まで私立に通わせたいと言っています。世帯年収600万円ではさすがに厳しいですよね?

妻が子どもを幼稚園から大学まで私立に通わせたいと言っています。世帯年収600万円ではさすがに厳しいですよね?
本記事では、世帯年収600万円の家庭で子どもを私立の学校に通わせた場合、教育費を賄えるのか、また、家計にどのような影響を与えるのかということを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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幼稚園から大学までの平均教育費

子どもを幼稚園から大学まで通わせるには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、文部科学省や民間調査機関のデータに基づき、幼稚園から大学までの平均教育費と内訳を詳しく解説します。
 

幼稚園から高校までの教育費用

文部科学省の令和3年度子供の学習費調査の結果によると、幼稚園から高校までの教育費用は表1の通りです。
 
表1

公立 私立
幼稚園 16万5126円 30万8909円
小学校 35万2566円 166万6949円
中学校 53万8799円 143万6353円
高校 51万2971円 105万4444円
合計 156万9462円 446万6755円

表は文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果」を基に筆者作成
 
文部科学省の令和3年度子供の学習費調査の結果によると、公立と私立の教育費用に大きな差があることが分かります。幼稚園から高校までの教育費用を比較すると、公立の場合は合計で156万9462円であるのに対し、私立では446万6755円です。幼稚園から高校までを私立にした場合、約2.8倍もの費用がかかります。
 

大学の費用

文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、国立大学と私立大学の教育費は表2の通りです。
 
表2

私立大学 国立大学
授業料 53万5800円 28万2000円
入学料 93万943円 24万5951円

表は文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
 
国立大学4年間(8学期)の教育費用は242万5200円であるのに対し、私立大学4年間の教育費用は400万326円と約1.6倍かかることが分かります。
 

幼稚園から大学までの教育費用

表1、表2から、幼稚園から大学まで公立・国立の教育費用は399万4662円、幼稚園から大学まで私立の教育費用は846万9981円であることが分かります。幼稚園から大学までを公立・国立にした場合と私立にした場合の差額は約447万円で、教育費用に約2.1倍もの差があります。
 

年収600万円の経済状況について

年収600万円の生活レベルを知るために、どんな項目にいくら支出しているのか、ほかの年収のケースと比較してみたいと思います。利用するデータは、総務省統計局が公表している「1世帯当たり1か月間の収入と支出(総世帯)」です。年収600万円が属する階級の主な支出額は表3の通りでした。
 
表3

実収入 47万7107円
消費支出 25万4559円
食費 6万6404円
光熱費 2万477円
娯楽 2万5161円

表は総務省統計局「1世帯当たり1か月間の収入と支出(総世帯)」を基に筆者作成
 
年収600万円の家庭が、幼稚園から大学まで私立に通わせる場合、どの程度の教育費がかかるかを確認してみましょう。1年間の消費支出は25万4559円×12で305万4718円です。年間実収入は47万7107円× 12 で 572万5284円になるため、267万0566円が余ります。
 
幼稚園から大学までの教育費用846万9981円を18年間(3歳から22歳)で割ると年間で必要な教育費は約47万555円です。教育費を確保した場合の残りの可処分所得は、220万11円になります。
 
年収600万円の家庭が私立教育を全て負担することは可能です。ただし、緊急時の支出などを220万円の中で賄うことになるため、老後資金の準備や住宅購入などの他のライフプランにも影響を与える可能性があります。
 

教育費以外の支出も考慮

教育費以外にも、老後資金の準備や住宅購入など、将来に向けて備えておきたい支出があります。これらの支出を考慮すると、年収600万円世帯で私立教育を全て負担することは難しいといえるでしょう。教育費負担を軽減するために、以下のような解決策が考えられます。

●奨学金制度の活用
●教育ローンの利用

奨学金制度の活用や教育ローンの利用は、教育費の負担を軽減するために有効な手段です。これらの制度をうまく活用することで、教育費の負担を分散し、家計を安定させることが可能になります。
 

幼稚園から大学まで全て私立に通った場合の教育費は約847万円/大きな負担となる

幼稚園から大学まで全て私立に通った場合の教育費は約847万円となり、大きな負担となります。年収600万円の家庭が全て私立に通わせることは可能ですが、生活の他の部分で節約が必要となるでしょう。難しい場合は奨学金制度の活用などの解決策があります。教育費が家計に与える影響をしっかりと理解し、将来にわたり家族の生活を安定させるための対策を講じましょう。
 

出典

文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
総務省統計局 第22章家計
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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