更新日: 2024.07.18 年収
公務員の薬剤師があると聞きました。年収や仕事内容は、民間企業の薬剤師とどう違うんですか?
そこでこの記事では、公務員薬剤師の仕事内容や勤務先・年収などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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公務員薬剤師とは
公務員薬剤師には、各省庁に所属する国家公務員と、都道府県や市区町村の職員として働く地方公務員がいます。
公務員薬剤師は、一般的な薬剤師同様に、処方せんに沿って薬剤の調剤や服薬指導を行う以外にも、さまざまな分野で活躍しています。国家公務員の職場は、厚生労働省や内閣官房・総務省・外務省・文部科学省・環境省・防衛省などです。地方公務員の勤務先は、都道府県や市区町村営の病院・保健所・生活環境課・廃棄物課・経済産業部やさまざまな研究機関などです。
公務員薬剤師になるには、薬剤師国家試験に合格後、それぞれの省庁や地方公共団体の実施する採用試験を受け、合格する必要があります。それぞれの省庁・自治体によって試験内容が異なるため、入念に対策する必要があります。
公務員薬剤師の仕事内容
公務員薬剤師の仕事は、勤務先によってさまざまです。ここでは、その中から、国家公務員・地方公務員の薬剤師の仕事をそれぞれ3つずつご紹介します。
国家公務員の薬剤師の仕事内容
厚生労働省の化学物質安全対策室は、化学物質を適切に管理するための部署です。薬も化学物質の1つであり、薬剤師が活躍しています。業務内容としては、新規化学物質の審査や毒劇物の流通管理などです。
防衛省では防衛大学校の医務室での調剤業務や薬品・衛生機材の調達・管理などを行います。防衛省では、自衛隊の中でも薬剤師が活躍しています。
環境省の水・大気環境局も薬剤師の勤務先の1つです。農薬が及ぼす環境への影響や毒性の強さの調査、環境中の農薬基準値の設定などを行っています。
地方公務員薬剤師の仕事内容
地方公務員の薬剤師の仕事も、防災や生活環境・産業・研究開発支援など多岐にわたります。
保健所に勤務すると、勤務する課にもよりますが、医薬品などの製造施設や薬局の監視指導、輸血用血液確保のための献血推進業務などを行います。
廃棄物関連の部署では、事業者や処理業者に対し、廃棄物の減量や再生利用の推進といった指導も重要な業務です。不法投棄対策に携わることもあるでしょう。
各種研究所に勤務した場合は環境関連の調査や創薬探索研究なども行います。多くの仕事は、薬剤師だけでなくさまざまなプロフェッショナルと協力して進めていくようになるでしょう。
公務員薬剤師の年収
公務員の仕事は安定した収入が得られる点が魅力です。公務員薬剤師も同様に、収入面では安定しているといわれています。地方公務員の薬剤師の年収を一般企業に勤務する薬剤師と比較し表1にまとめました。
表1
給与月額合計 | ボーナス | 年収 (給与月額合計×12+ボーナス) |
|
---|---|---|---|
一般企業 (企業規模10人以上) |
41万4600円 | 85万8700円 | 583万3900円 |
地方公務員 (全地方公共団体) |
39万2810円 | 146万3760円 | 617万7480円 |
※厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」「令和4年地方公務員給与の実態」を基に筆者作成
給与額は一般企業の方が高いものの、ボーナスの額により年収は、公務員薬剤師の方が約34万円高くなっています。ただし、賃金構造基本統計調査には公務員が含まれているため、実際はこの数字より低い可能性もあります。
公務員薬剤師は役所や省庁に勤務し安定した年収を得られる可能性がある職業
公務員薬剤師は、国家公務員と地方公務員に分かれます。勤務先は、厚生労働省や防衛省・保健所・市立病院など多岐にわたります。処方せんに合わせて薬を調剤するだけでなく、直接的に薬に関わらない業務を行う可能性があるものの、採用後は安定した収入を得られる可能性があります。
公務員薬剤師になるためには、薬剤師国家試験に合格後、それぞれが実施する採用試験を受ける必要があり、人気の職種もあるため、しっかり対策して臨むことが重要です。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 令和4年賃金構造基本統計調査
総務省 令和4年地方公務員給与の実態 第5表職種別職員の平均給与額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー