更新日: 2024.07.25 年収
「ひよこ鑑定士」は稼げると聞きました!実際の年収はどれくらいですか?
本記事では、ひよこ鑑定士の平均年収とひよこ鑑定士になるためのプロセスを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ひよこ鑑定士とは
ニワトリの雛は、卵からかえったばかりではオスとメスに差がなく、鳴き声や見た目で性別が判別できるようになるまでに約1ヶ月かかり、そこまで育てるだけでも餌や施設運営に莫大な費用がかかります。そこで、できるだけ早く性別を見極めるために活躍するのが、ひよこ鑑定士です。
ひよこ鑑定士とは、ひよこを生産する鶏卵所でひよこの性別を見分ける専門職のことを指し、正式名称は「初生雛(しょせいびな)鑑定師」といいます。肛門にある突起の状態から性別を付別する「肛門鑑別法」、翼羽の長さから区別する「翼羽鑑別法」という方法でオスとメスを見分けています。
小さいひよこをわずかな外見の差だけで見分ける作業は、非常に難しく、繊細な技術と実績が必要です。
また、ひよこ鑑定士は正確さとスピードの両方が求められることから、手の大きい人には不向きの職業といわれています。農業先進国が多いヨーロッパでは、鑑別率99.5%以上の正確さを誇る日本人のひよこ鑑定士の需要は特に大きいようです。
ひよこ鑑定士の年収
ひよこ鑑定士の平均年収は500万円~600万円程度、月収は30~40万円程度といわれています。給与は歩合制で、1匹のひよこの鑑定報酬は4円程度です。そのため、鑑定が早い人ほど収入が高くなる仕組みになっています。ボーナス等は企業によって異なります。ひよこ鑑定士の年齢別の給与を表1にまとめました。
表1
年齢 | 平均年収 | 平均月収 |
---|---|---|
20~24歳 | 342万円 | 21万円 |
25~29歳 | 426万円 | 27万円 |
30~34歳 | 468万円 | 29万円 |
35~39歳 | 534万円 | 33万円 |
40~44歳 | 600万円 | 38万円 |
45~49歳 | 672万円 | 42万円 |
50~54歳 | 720万円 | 45万円 |
55~59歳 | 714万円 | 45万円 |
60~65歳 | 486万円 | 30万円 |
※平均年収.jp「ひよこ鑑定士の平均年収」を基に筆者が作成
一般的な企業において働き盛りとされる30代の年収を比べてみましょう。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、30代全体の平均年収は425万~462万円でした。一方、30代ひよこ鑑定士の年収は468万~534万円となっており、30代全体の平均年収よりも高いことが分かります。
また、年齢と共に経験を積んでベテラン鑑定士になれれば、平均年収は最大で720万円になります。
ひよこ鑑定士になるには
ひよこ鑑定士になるには、「初生雛鑑別師」という民間資格を取得する必要があります。そして資格取得に至るまでには、いくつかの段階を踏む必要があり、難易度は高めです。
まず、公益財団法人畜産技術協会が運営管理する「初生雛鑑別師養成所」に入所して養成講習を受講する必要があります。入所条件は以下の通りです。
・満25歳以下で、高等学校卒業または同等以上の資格保有者
・身体強健で視力1.0以上(矯正可)の者
入所試験に合格した者は、5ヶ月間の講習を受けたのち、各地の孵化場に派遣され、研修生として1~3年間ほど実務経験を積まなければなりません。その後、同協会が開催する「予備考査」と「高等鑑別師考査」に合格して、初めて「初生雛鑑別師」の資格を取得することができます。
合格率は、「予備考査」が約39%、「高等鑑別師考査」が約60%です。また、養成期間中にかかる費用は100万円以上とされています。長い年月と高い費用をかけてから試験に合格しなければならないため、途中でやめてしまう方も多いようです。
まとめ
ひよこ鑑定士の給料は歩合制なので、1匹のひよこの鑑定が遅いと高収入は狙えませんが、平均年収は500万円~600万円なので比較的高収入です。
ひよこ鑑定士になるには、有資格者数が少なく難易度が高いといわれている「初生雛鑑別師」の資格を取得する必要があります。ひよこ鑑定士は、現在国内よりも海外でのニーズが高いため、海外での活動を視野に入れて取得を目指すのもよいでしょう。
出典
公益社団法人中央畜産会 初生雛鑑別師 主な仕事内容
平均年収.jp ひよこ鑑定士の平均年収
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21 業種別開業ガイド ひよこ鑑定士
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー