更新日: 2024.09.08 年収

生涯年収2億円とよく聞きますが、自分には稼げそうにありません。どのような人が2億円稼げるのでしょうか?

生涯年収2億円とよく聞きますが、自分には稼げそうにありません。どのような人が2億円稼げるのでしょうか?
生涯年収はおよそ2億円と聞いたことのある人も多いでしょう。しかし、一般的に定年まで正社員で働いたとして、本当に2億円稼ぐことは可能なのでしょうか?
 
国税庁の令和4年民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均年収は457万6000円です。年収458万円として、大学卒業後60歳の定年まで38年間働くと1億7404万円となり、退職金などを2600万円程度もらわなければ年収2億円には届きません。
 
そこで今回は、年収2億円を達成するのはどのような人なのか、達成するためにはどうすればよいかなどについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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会社員の生涯年収は本当に2億円あるのか

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2022」によると、学校を卒業後、60歳の定年まで働いた場合(同一企業とは限らない)の退職金を含まない生涯年収は表1のようになります。
 
表1

中学卒業 高校卒業 高専・短大卒業 大学・大学院卒業
男性 1億9400万円 2億500万円 2億960万円 2億6190万円
女性 1億4610万円 1億4960万円 1億7250万円 2億1240万円

※独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022」を基に筆者作成
 
年収2億円を超えるのは、男性の高校卒業以上、女性の大学・大学院卒業に限られます。学歴が高くなるにつれて生涯年収は上がっていき、勤続年数では中学卒業がもっとも長くなるものの、生涯年収は少ない結果となっています。
 
この点から、学歴が生涯年収に大きくかかわっていることが分かるでしょう。女性の生涯年収が男性よりも低いのは、出産や育児などにより、キャリア形成が中断されたり短時間労働になったりすることなどが原因のひとつと考えられます。
 

学歴以外で年収に影響を与える要因

学歴以外にも、生涯年収に影響を与える要因の1つが雇用形態です。
 
例えば、「ユースフル労働統計2022」によると、正社員で働いた場合の男性(大学・大学院卒業)の退職金を含まない生涯年収は2億6190万円ですが、非正社員の場合は1億5990万円とおよそ1億円の差があります。
 
また、企業規模も生涯年収に大きな影響を与えています。表2は、男性(正社員)の退職金を含まない生涯賃金を学歴・企業規模別に表したものです。
 
表2

10人~99人 100人~999人 1000人以上
中学卒業 1億8420万円 1億9710万円 2億2720万円
高校卒業 1億7930万円 2億80万円 2億4430万円
高専・短大卒業 1億8420万円 2億570万円 2億4290万円
大学・大学院卒業 2億530万円 2億5140万円 2億9670万円

※独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022」を基に筆者作成
 
企業規模1000人以上の会社の社員は、すべての学歴で2億円を超えているものの、10人~99人の会社では、大学・大学院卒業でなければ2億円を超えていません。
 

生涯年収2億円以上もらうためにできること

生涯年収2億円をもらうためには、学歴以外に雇用形態や企業規模に注意して就職するとよいでしょう。正社員として働くことや、なるべく企業規模の大きい会社に就職することなどを意識すれば、生涯年収2億円を稼げる可能性があります。
 
正社員として働くことは、福利厚生の充実や、社会的な信頼度が上がるなどメリットも多くあります。企業規模に関しては、すでに就職している場合は、キャリアアップできるよう転職を検討してもよいでしょう。
 

会社員の生涯年収2億円を超えるのは大学・大学院卒業の正社員や企業規模の大きい会社に勤務する方

生涯年収が2億円を超えられるかは、正社員で働いているかや、学歴、企業規模なども大きくかかわってきます。また、生涯年収は男女差もあり、女性は大学・大学院を卒業した人でなければ、退職金を抜いた生涯年収は2億円を超えない値となっています。
 
生涯年収2億円は、それだけ稼げば将来安心な額というわけではありません。家族構成や住んでいる地域などにより、必要な額は変わります。2億円にこだわるのではなく、将来的に自分が必要な額を把握し、どうすればその額を蓄えられるのか考慮する必要があるでしょう。
 

出典

国税庁 民間給与実態統計調査Ⅱ 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(第8表)平均給与(15ページ)
独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2022 21生涯賃金など生涯に関する指標図21-1生涯賃金(319・329・337ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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