初任給のベースが上がっているとのニュースをよく見ます。「不景気」や「氷河期」といわれていた頃よりも稼ぎやすい時代になったのでしょうか?

配信日: 2024.10.04

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初任給のベースが上がっているとのニュースをよく見ます。「不景気」や「氷河期」といわれていた頃よりも稼ぎやすい時代になったのでしょうか?
昨今のニュースによると、初任給のベースが上がっているようです。社会人として新生活を開始する人にとってはうれしいニュースで、その後の年収アップにも期待したいところです。しかし現状は「かつてよりも稼ぎやすい時代になった」わけではないようです。
 
そこで今回は、初任給がアップしている状況やその後の年収アップの見通しについて調べてみました。年収をアップさせる方法もご紹介しますので、参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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初任給のベースは本当に上がっている?

株式会社産労総合研究所が実施した「2024年度決定初任給調査」によると、2024年4月入社者の初任給を引き上げた企業は過去最高の75.6%で、前年よりも7.5ポイント増えたとのことです。
 
例えば大学卒業(一律)で22万5457円、高校卒業で18万8168円となり、前年度増加率は32年ぶりに全学歴で3%を超えました。
 
初任給を引き上げた理由については「人材を確保するため」が73.5%で最も多く、「在籍者のベースアップがあったため」の43.4%、「初任給の据置きが長く続いていたため」の7.5%が続きます。
 
初任給のベースが上がっているとのニュースを目にすることもあり、同調査からも実際に初任給を引き上げている企業は多いことが分かります。
 

今後の年収アップの見通しは?

初任給のベースアップにともなって、今後の年収アップも期待したいですが、現実はそれほど甘くないようです。
 
初任給のベースを上げることは企業にとってコスト面の負担となりますが、これを可能にできる要因の一つとして、ボーナスや退職金などの削減が考えられます。
 
初任給や月給を増やしたものの、ボーナスも増やすとは言及していない企業もあり、ボーナスを減らすことで年収ベースの大幅な賃上げとはなっていないケースもあるようです。
 
また賃金制度の変更、つまり従来の勤続年数による昇給を廃止している企業もあるようです。年齢や勤続年数ではなく、仕事の内容や難易度によって給与を決める企業もあり、初任給が高くても、同じ職務にとどまっている限り年収はいつまでも変わらない場合が考えられます。
 

年収をアップさせる方法

初任給のベースアップはうれしいニュースですが、それ以降も着実に年収を上げて、生活の質を上げたい、また、老後資金を確保したいと考える方もいるでしょう。年収をアップさせる方法として、以下のポイントが挙げられます。
 

・昇進や昇給を目指す

勤続年数が給与に影響を与える傾向の強い会社で働いている場合は、長期的な視野でコツコツと努力することで昇進や昇給を目指せるかもしれません。
 
資格を取得して資格手当を受けたり、業績・評判を上げてから賃上げ交渉をしたりもできます。現職で年収アップの見込みがないか、会社の給与形態などを確認してみるといいでしょう。
 

・副業をする

近年では副業を認める企業も増えてきているようです。休日や定時後に何らかの副業をすると、年収を増やせるでしょう。
 
アルバイトだけでなく、クラウドソーシングサービスを活用して、在宅で副業を行う人もいます。年収アップだけでなく、将来の転職や独立開業、定年後の再就職などに役立つスキルが身についたり、人脈を築けたりする場合も考えられます。
 

・転職や独立開業を検討する

現職での年収アップが希望通りにいかない場合は、転職や独立開業を検討できます。規模の大きな企業や年収相場の高い業界への転職で、交渉次第では大幅な年収アップが見込める場合もあるでしょう。
 
独立開業は、自身のスキルやアイデア次第で年収を大幅に上げられる可能性のある方法です。いずれも年収アップが約束されているわけではなく、リスクもあることを理解したうえで、慎重に検討する必要があります。
 

初任給ベースが上がっていても稼ぎやすい時代になったとは限らない

2024年4月入社者の初任給を引き上げた企業は過去最高の75.6%で、初任給の前年度増加率は32年ぶりに全学歴で3%を超えたとのことです。初任給のベースアップはうれしいニュースですが、その後の年収アップについては、おさえられていることもあるようです。
 
このことから「不景気」や「氷河期」といわれていた頃よりも稼ぎやすい時代になったとは言い難いことが分かります。
 
年収アップは、現職で昇進・昇給を目指したり副業をしたりして実現できる場合があります。また、転職や独立開業を検討すれば、大幅な年収アップにつなげられる可能性もあるでしょう。
 

出典

株式会社産労総合研究所 2024年度決定初任給調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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