更新日: 2024.10.06 年収
今年の「夏の平均ボーナス」は、例年と比べて多い? 少ない? 気になる「円安の影響」も解説
本記事では、今年の夏のボーナスに関する最新の情報や、円安がボーナスに与えた影響について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
大企業の夏のボーナス平均支給額は94万円
経団連は8月7日、大手企業の2024年夏季賞与(ボーナス)の最終集計結果を発表しました。集計によると、平均妥結額は前年に比べて4.23%増加し、94万1595円に達しました。
この金額は、2018年に記録した過去最高額の95万3905円には届いていませんが、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年の水準は上回りました。
業種別にみると製造業では3.55%増の98万6369円、非製造業では7.57%増の83万6150円となり、製造業については記録がさかのぼれる1997年以降で最高額となりました。
中小企業の夏のボーナス平均支給額は35万円
株式会社フリーウェイジャパンは2024年6月、中小企業・零細企業を対象に行った「夏のボーナスに関するアンケート」の結果を公表しました。
代表取締役に対して「夏のボーナスの支給予定や支給済みかどうか」を尋ねたところ、最多の39.2%が「支給予定あり/支給済み」と答えています。
ボーナスが支給された従業員や、支給予定で金額を把握している従業員に「支給額」を尋ねたところ「10万円~20万円未満」が21.1%で最も多く、次いで「30万円~40万円未満」が18.4%、「50万円~60万円未満」が15.8%となりました。平均支給額は35万円です。
大企業の約5割で夏のボーナスが増加
株式会社帝国データバンクの「2024年夏季賞与の動向アンケート」において、規模別に「ボーナスがあり増加する」と回答した企業の割合を見ると、大企業は前年比で4.9ポイント増加し、47.2%となりました。これは全体平均(39.5%)を7.7ポイント上回る結果です。
一方、中小企業は前年から1.7ポイント増の38.2%、小規模企業は同じく1.9ポイント増の29.2%でした。
さらに小規模企業においては、夏のボーナスが「増加する」と回答した企業の割合が全体平均よりも約10ポイント低く、企業規模による格差が存在することが確認されました。
ボーナス上昇の理由
大手企業の2024年夏のボーナスは、3年連続の増加であり、1981年に現行の集計方法が導入されて以来、2番目に高い水準です。
これは、春季労使交渉での月例賃金引き上げがボーナスにも反映されたことが一因のだと考えられています。また、円安の影響などにより企業の業績が好調であったことも、ボーナスの増額につながったといわれています。
1人当たりボーナス支給額は前年から平均2.0%増
前述の帝国データバンクのアンケート調査によると、2024年の夏季賞与における従業員1人当たりの平均支給額について、前年からの変動を調査した結果、平均で2.0%の増加が見られました。この増加率は、前年の2.4%と比較して0.4ポイント低下しています。
規模別に見ると、大企業では4.1%の増加となり、前年よりも0.6ポイント上昇しました。中小企業は前年より0.5ポイント低下し、1.7%の増加にとどまっています。中小企業の増加率は大企業を2.4ポイント下回っており、規模による格差が浮き彫りになりました。
2024年の夏のボーナスは前年より増加傾向
2024年の夏のボーナスは、企業の規模や業種によって違いが見られましたが、全体として前年に比べて増加傾向にあります。大企業ではボーナス支給額の増加が顕著であり、特に製造業においては記録がさかのぼれる1997年以降で、最高額となりました。
一方で中小企業や小規模企業では、ボーナスの増加は見られるものの増加率は大企業に比べて緩やかで、規模間の格差が存在することが確認されました。
春季労使交渉による賃金引き上げや円安による企業の業績への影響が、ボーナス増加の一因となっているものの、企業の規模によってその恩恵の度合いには差が生じているようです。
出典
日本経済新聞 夏ボーナス94万円、経団連最終集計 過去2番目の高水準
株式会社フリーウェイジャパン 夏のボーナスに関するアンケート(PR TIMES)
株式会社帝国データバンク 2024年夏季賞与の動向アンケート(PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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