更新日: 2024.10.08 年収

公営住宅に住む「月収15万円」の契約社員です。もし給料が増えたら「強制退去」させられますか?会社から正社員へのお誘いを受けています…

公営住宅に住む「月収15万円」の契約社員です。もし給料が増えたら「強制退去」させられますか?会社から正社員へのお誘いを受けています…
公営住宅は地方公共団体が低所得者に賃借するものであるため、収入基準を下回っていることが入居条件の一つになります。
 
しかし、住んでいるうちに「正社員に登用された」などの理由で収入が上がり、基準をオーバーしてしまうこともあるでしょう。その場合、公営住宅を退去しなければならないのか、不安に思う人もいるかもしれません。
 
本記事では、公営住宅の入居条件を始め、収入が増えた場合の退去の必要性や、退去した場合に考えられる生活の変化について詳しくご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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公営住宅に入居できる条件は?

国土交通省住宅局の「公営住宅制度の概要について」によると、公営住宅の入居条件には以下のようなものがあります。
 
・同居親族要件
現に同居し、又は同居しようとする親族があること
 
・入居収入基準
入居者の収入が一定の金額を超えないこと
 
・住居困窮要件
現に住居に困窮していることが明らかな者であること
 
入居収入基準は「月収20万円(収入分位25%)以下」とされています。ただし、入居者が身体障害者である場合や、災害により住居が滅失した低額所得者である場合は「月収26万8000円(収入分位40%)以下」になるということです。
 

公営住宅の家賃はどう決まる?

公営住宅の家賃については「家賃算定基礎額×市町村立地係数×規模係数×経過年数係数×利便性係数」で算出します。入居者世帯の収入ごとの家賃算定基礎額を表1にまとめました。
 
表1

収入分位 入居者世帯の収入(月額) 家賃算定基礎額
0~10% 12万3000円以下 3万7100円
10~15% 12万3000円超え15万3000円以下 4万5000円
15~20% 15万3000円超え17万8000円以下 5万3200円
20~25% 17万8000円超え20万円以下 6万1400円

出典:国土交通省住宅局「公営住宅制度の概要について」を基に筆者作成
 
公営住宅の規模や立地条件、建設時からの経過年数などによっても家賃は変わってくるため、事前に確認しておくといいでしょう。
 

収入が増えると公営住宅を退去しなければならない?

今回の事例では「契約社員から正社員になることで給料が15万円から20万円に上がる」ということですが、表1によると20万円までは「収入超過者」に該当しないため、本来の計算方法で家賃が算出されると考えられます。ただし、収入がアップする分、家賃も増額されることになるでしょう。
 
ただし、月額20万円以上の収入がある状態で3年以上入居している場合は、公営住宅を明け渡すよう努めなければならないようです。
 
その点を踏まえたうえで、正社員への誘いを受けるべきか検討することをおすすめします。
 

賃貸物件なら収入に応じて家賃が変わることはない

公営住宅を退去した場合は、賃貸物件など新たな住まいを探す必要があります。
 
賃貸物件は収入に応じて家賃が決まることはありません。住んでいる途中で給料が上がったとしても家賃は変わらないため、給料が上がった分、ほかのことに使えるお金が増えるというメリットはあるでしょう。
 
公営住宅は収入によっては一般的な賃貸物件よりも家賃が安くなる場合もありますが、収入が上がることで家賃も高くなることを考えると、金額によっては早めに退去することを検討した方がいいかもしれません。
 

収入アップでも退去にはならない可能性があるが、家賃は上がると考えられる

公営住宅の入居には収入に関する条件も定められています。そのため、今回の事例のように「正社員になると給料がアップする」という場合、給料が上がることで公営住宅を退去しなければならなくなるといった心配もあるでしょう。
 
公営住宅では「収入超過者」に該当する状態で3年以上入居していると明け渡すよう努めなければならない決まりがあるため、注意が必要です。給料が20万円であれば退去にならない可能性はありますが、給料が上がると家賃も上がることが一般的であるため、公営住宅を退去して賃貸物件に移り住むことも検討した方がいいかもしれません。
 

出典

国土交通省住宅局 公営住宅制度の概要について(1、4ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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