「アニメーター」として働いている娘が電話で「毎日忙しい」と愚痴をこぼしていました。具体的にどのような仕事をしているのでしょうか? また「年収」が少し心配です…。
配信日: 2024.11.18 更新日: 2024.11.19
しかし、アニメーターの仕事は、労働環境や給与待遇があまりよくないというイメージをお持ちの方も少なくないはずです。
今回は、アニメーターの仕事内容や平均年収を詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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アニメーターってどんな仕事?
アニメーターとは、アニメ制作の現場において主に「原画作成」や「動画作成」の作画を担当する仕事のことです。最終的に自然に見えるようアニメーションにしていきます。
何十枚・何百枚もの静止画をつなぎ合わせて、キャラクターの繊細な動きを出し、アニメを観る人たちに感動を与えたり、ワクワクさせたりする重要な役割を担う仕事です。
アニメーターとして活躍するためには、アニメ制作会社に就職するのが一般的ですが、最近ではアニメ制作を手がける個人事務所に就職したり、フリーランスのアニメーターとして活躍したりする人も少なくないようです。
ただし、文化庁が公表した一般社団法人日本アニメーター・演出協会「アニメーション制作者実態調査2023」によると、アニメーターとして活躍する人のなかには、精神的・身体的な疲労に悩んでいたり、過密スケジュールによる過重労働に困っていたりする人も多いようです。
好きなことを仕事にすることで、やりがいや楽しさを感じやすいものの、拘束時間の長さや過密スケジュールによってストレスに悩まされやすい仕事ともいえるでしょう。
アニメーターってどんな人に向いている仕事?
アニメーターとして活躍するためには、特別な資格は必要ありません。しかし「デッサン力」や「画力」は必須のスキルだといわれています。
ただ絵が上手なだけではなく、パソコンを用いて編集をしたり、デジタルツールを活用できたりしなければならず、相応の知識やスキルも求められると考えられます。
そのほかにも、細かな作業を長時間続ける必要があるため、「根気や忍耐力」が求められるだけでなく、チームで1つの作品を作り上げるために「コミュニケーション能力」も必要だと考えられます。さらに、イレギュラーにすぐに対応できる「柔軟性」も重要なスキルといえるでしょう。
採用後すぐに即戦力として活躍するためには、美術大学や専門学校を卒業し、アニメーターとしてのテクニックを習得しておくことをおすすめします。
アニメーター年齢階層別の平均年収
アニメーション制作者の仕事や生活状況を把握する目的で実施された「アニメーション制作者実態調査2023」によると、アニメーション制作者の年齢別の平均年収は表1のとおりです。
表1
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20〜24歳 | 196万6000円 |
25〜29歳 | 292万8000円 |
30〜34歳 | 446万円 |
35〜39歳 | 490万7000円 |
40〜44歳 | 565万7000円 |
45〜49歳 | 523万9000円 |
50〜54歳 | 614万6000円 |
55〜59歳 | 576万2000円 |
60〜64歳 | 577万円 |
65〜69歳 | 158万円 |
70〜74歳 | 437万3000円 |
全体 | 455万9000円 |
※一般社団法人日本アニメーター・演出協会「アニメーション制作者実態調査2023」を基に筆者作成
アニメーターの年収は、若い年代になればなるほど低い傾向があるようです。
国税庁が公表する「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は458万円であるため、アニメーターの平均給与は若干低い水準であると分かるでしょう。
30代前半までは日本人の平均年収を下回っていますが、30代後半からは上昇傾向にあります。アニメーターは、どれだけ経験を積み、実力を高められるかが年収を大きく左右すると職業といえるでしょう。
アニメーターは多忙だけれどその分やりがいも感じられる仕事
アニメーターは、年収の低さや労働環境の悪さなどが心配されやすい職業です。年齢や勤務先などによっては、日本の平均年収を大きく下回ることもあるでしょう。しかし、現場で着実に経験を積むことで、高収入を得られる可能性のある職業だと考えられます。
もしもお子さんがアニメーターとして働いている場合、過重労働によって心身の不調を起こしていないかを気にかけてあげながら、活躍できるように応援してあげましょう。
出典
一般社団法人日本アニメーター・演出協会 アニメーション制作者実態調査2023
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー