更新日: 2024.12.02 年収

働けば働くほど儲かる可能性あり! 一方で課題も多い「個人タクシー」の実状とは

働けば働くほど儲かる可能性あり! 一方で課題も多い「個人タクシー」の実状とは
タクシー運転手には、タクシー会社に所属する「法人タクシー運転手」と、個人で営業している「個人タクシー運転手」がいます。
 
「個人タクシー運転手」と聞くと、自由度が高く、働けば働くほど儲かるというイメージをお持ちの方も多いでしょう。その一方で、個人ならではの課題もあります。
 
今回は、個人タクシーと法人タクシーの違いや、個人タクシーの将来性についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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個人タクシーと法人タクシーの違い

タクシーの種類には、「法人タクシー」と「個人タクシー」があります。法人タクシーとは、「タクシー会社に雇用されている運転手が運転するタクシー」のことです。
 
一方、「個人タクシー」とは、その名の通り個人事業主としてタクシー運転手をしている人を指します。誰でもなれるわけではなく、一定期間法人タクシーで運転手を経験した人か、自動車を運転する仕事をしていた人でなければなれません。
 
また、年齢や法令順守状況、資金計画など、さまざまな条件をクリアする必要があります。さらに、筆記試験にも受からなくてはなりません。
 

収入の違い

タクシー会社は、歩合制を導入している傾向にあり、売り上げの一部が運転手の収入になります。歩合給の割合は、会社にもよりますが、一般的におよそ50%~60%といわれています。100万円売り上げた場合は、50万円~60万円が収入となる計算です。
 
一方、個人タクシーの売り上げは、ガソリン代・車両のメンテナンス代といった必要経費を除き、すべて自分の収入となります。そのため、働けば働くほど、収入は多くなる可能性があります。大都市圏で個人タクシー運転手として成功した場合は、年収1000万円を超える可能性も、ゼロではないかもしれません。
 
なお、個人タクシー運転手の平均年収は、公的には発表されていませんが、全国的に見ると340万円程度になるようです。
 
ちなみに、法人タクシー運転手の平均年収は、令和5年賃金構造基本統計調査によると、10人以上従業員がいる会社の場合418万9900円となっています。
 

自由度と責任の違い

法人タクシーは、基本的にシフト制のため、あらかじめ勤務時間が決められているようです。勤務には「日勤」「夜勤」に加え、間に休憩を挟みながら日勤と夜勤を連続して行い、勤務が終了した日と次の日が休みになる「隔日勤務」があります。
 
しかし、個人タクシーの場合は、休憩や休日を自由に取得できます。稼ぐのが目的であれば、勤務時間を長くすることも可能です。また、プライベートを優先したい人や、年齢や体力的な理由で長時間従事できない人にとっても、働きやすい環境だと考えられます。
 
個人タクシーは、法人タクシーと比較すると、勤務時間に関しては自由度が高いといえます。一方で、車のメンテナンスやクレーム対応といった業務も、すべて自分で行わなければなりません。さらに、万が一事故や病気によって仕事ができなければ、収入はゼロになってしまう恐れもあるでしょう。
 

個人タクシーに将来性はあるのか

タクシー業界では、ドライバーの高齢化やドライバー不足などの問題を抱えています。今後は、一般ドライバーが有償で車を運転する「ライドシェア」にも対抗していかなければなりません。そのような中で、個人タクシーの将来性が気になるところです。
 
タクシーは、人を乗せている時間が長ければ長いほど、収入が多くなる傾向があります。個人タクシーとして一定の収入を得て生活していくためには、次の点に力を入れることが重要です。

●交通の便が悪い場所から長距離移動する顧客を乗せる
●定期的に利用してくれる固定客を増やす
●ほかのタクシーにはない手厚いサービスを考える
●配車アプリなど時代の変化に対応する

顧客にとって唯一無二のドライバーになることで、個人タクシーで成功できる可能性があります。
 

個人タクシーは働き方次第で法人タクシーよりも稼げる可能性があるものの、リスクを伴う

個人タクシーの運転手は、法人タクシーであればしなくてもよい、車検の手配やクレーム対応を行う必要があります。また、働けなくなった場合の保証がない点は、リスクかもしれません。
 
とはいえ個人タクシーの場合は、働き方次第で、法人タクシーの運転手よりも多くの収入を得られる可能性があります。「プライベートを優先して自由に働きたい」「もっと収入を増やしたい」と考えている人にとっては、適した仕事といえるでしょう。
 

出典

e-Stat 政府統計の総合窓口 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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