友人は退職金が出ない会社へ入社しましたが、基本給は私より「3万円」多いそうです。トータルで受け取れる金額は友人の方が多いのでしょうか?

配信日: 2024.12.03

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友人は退職金が出ない会社へ入社しましたが、基本給は私より「3万円」多いそうです。トータルで受け取れる金額は友人の方が多いのでしょうか?
昔に比べて、退職金制度を廃止している会社の数も増えています。友人の就職先で退職金がなく、代わりに似たような条件でも自分より月給が高かった、という経験のある方もいるでしょう。
 
もし退職金の有無による、収入の金額差を考えたいなら、退職金の平均額を知っておくことが大切です。今回は、退職金の平均額や退職金を出さない会社の割合などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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退職金の平均額はいくらくらい?

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者の、卒業学校や業種別退職金の平均給付額は表1の通りです。
 
表1

大学卒業
(管理・事務・技術職)
高校卒業
(管理・事務・技術職)
高校卒業
(現業職)
退職金平均額 1896万円 1682万円 1183万円
平均月収換算 36ヶ月 38.6ヶ月 34.3ヶ月
退職時点での所定内賃金額 52万6000円 43万5000円 34万5000円

出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況」を基に筆者作成
 
調査によると、退職金の平均は大学卒業で1896万円、月収換算で36ヶ月分でした。また、最も低い高校卒業の現業職でも、平均退職金は1183万円、月収換算は34.3ヶ月分です。
 
もし退職金のない友人が毎月3万円多く受け取っている状態で、退職金よりも多い金額を稼ごうと思うと、大学卒業の平均退職金と同額なら632ヶ月で約53年、高校卒業現業職の金額だと約395ヶ月で約33年かかります。
 
友人が受け取っているボーナスの金額でも変わりますが、トータルで受け取っている金額が高いのは、退職金を受け取っている方といえるでしょう。
 

退職金を出さない会社はどれくらい?

厚生労働省の同調査によると、退職金給付制度がない企業は令和5年時点で24.8%でした。平成30年度の調査では19.5%だったので、徐々に退職金制度を採用しない会社が増えてきているといえるでしょう。
 
退職金が会社の財務状況を圧迫している場合、途中で退職金制度が廃止されるケースもあります。会社側と労働者側で話し合い、同意を得られれば就業規則の変更もできるためです。もし友人が入社後に退職金が廃止されて困っているようであれば、会社側が労働者ときちんと話し合っているかチェックしましょう。
 
また、退職金制度がある会社でも、途中入社をしたり雇用形態が異なっていたりすると、退職金を受け取れない場合があります。特に、友人が転職をよくするときは、退職金を受け取れないケースがあることも把握しておきましょう。
 

退職金がないメリットとは

退職金が最初からない会社では、基本給やボーナスが高く設定されているケースがあります。厚生労働省のデータによると、退職時点での所定内賃金は大学卒業の方で52万6000円、年換算で631万2000円です。もし3万円多く受け取ったとすると所定内賃金が55万6000円、年換算で667万2000円になります。
 
受け取るトータル金額では退職金制度のある会社の方が多くても、退職金制度がない会社の方が毎月受け取る金額が多い分、日常生活にある程度ゆとりもできるでしょう。また、受け取る金額が最初から決まっており、退職金で変動しないため、老後の生活に向けた資産計画を立てやすい点もメリットです。
 

トータルだと退職金ありの方が収入は多い可能性が高い

厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、勤続20年以上で45歳以上の方の平均退職金は、大学卒業で就職した場合で1896万円でした。月に3万円増えたとしても、退職金と同じ額だけたまるには632ヶ月かかる計算です。そのため、トータル金額だけで見ると、退職金があった方が受け取る金額は多いといえるでしょう。
 
しかし、退職金制度を廃止している会社は約25%あります。退職金がない分毎月の月収が多いので、勤務期間の日常生活で使えるお金にゆとりができる点は退職金がないことのメリットであるといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査の概況(12、17ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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