娘は大学で「学芸員資格」の取得を目指しています。「将来は学芸員として働きたい」と言っていますが、親としては「仕事内容」や「収入面」が気になります…。

配信日: 2024.12.10

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娘は大学で「学芸員資格」の取得を目指しています。「将来は学芸員として働きたい」と言っていますが、親としては「仕事内容」や「収入面」が気になります…。
美術館や博物館で働くイメージがある学芸員は、文化や歴史に関心のある方にとって魅力的な職業です。もっとも、実際の仕事内容や収入、雇用環境について詳しく知らない方は多いでしょう。本記事では、学芸員の年齢別平均年収や雇用状況、資格取得のメリットなどを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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学芸員の年齢別平均年収

厚生労働省が提供している職業情報提供サイト「jobtag」の情報をもとに、学芸員の年齢別平均年収を表1にまとめました。
 
表1

20~24歳 324万5100円
25~29歳 435万1800円
30~34歳 497万4000円
35~39歳 595万8500円
40~44歳 602万300円
45~49歳 698万900円
50~54歳 658万5200円
55~59歳 673万1600円
60~64歳 525万1000円

※厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「学芸員」を基に筆者作成
 
学芸員の平均年収は比較的安定しており、20代前半では約324万円ですが、20代後半になると約435万円まで増加します。さらに年齢を重ねてキャリアを積むことで、30代から年収が急激に伸び始め、40代前半では平均年収が600万円を超える傾向があることが分かりました。
 

非正規職員が増えている点に注意が必要

現在、多くの美術館や博物館では、運営コストの削減を目的に非正規職員や契約期間が限定された職員の採用が増加しているようです。非正規職員の増加理由の一つとして、公共施設の運営を民間企業やNPOに委託する指定管理者制度の導入が挙げられます。
 
指定管理者制度では、運営を委託された団体が採用する職員の多くが非正規雇用となるため、安定した雇用環境を求める人には課題となることが少なくありません。結果として、給与が低い、または収入が安定しないという問題に直面することもあるため、美術館や博物館で働く際には雇用形態や待遇を十分に確認する必要があります。
 

学芸員は就職先が少なく募集の頻度も低い

結論からいうと、美術館や博物館の数は限られているうえに、採用枠が少ないことから、学芸員の就職は大変競争が激しいのが現状だといわれています。
 
学芸員を目指す場合は、給与や待遇面を事前にしっかり確認するとともに、採用条件や応募頻度の低さを考慮して長期的なキャリアプランを立てることが大切です。
 

学芸員の仕事内容

学芸員は、美術館や博物館などの文化施設で働く専門職であり、文部科学省が認定する国家資格です。資料の収集・保管から展示企画、広報活動に至るまで、文化財や学術資料の価値を守り、社会に発信する役割を担っています。
 
美術館や博物館のテーマや分野に応じて必要とされる知識やスキルは異なり、歴史、科学、芸術、産業など、専門分野に関する深い知識が求められるとされています。
 
具体的な仕事内容は、展示品や資料の運搬・整理、来館者向けの案内やガイド、研究論文の執筆と出版などがあるようです。また、展示企画ではテーマに基づいたストーリー性を考慮し、来館者にとって分かりやすく魅力的な展示内容を構成することが求められるでしょう。
 

学芸員の資格を取得するメリット

学芸員の資格を取得すると、美術館や博物館などの文化施設で専門的な業務に従事する道が開かれます。国公立の施設に就職した場合は、公務員に準じた労働条件で働けるため、安定した給与や休暇制度が得られる可能性があるのは大きな魅力だといえるでしょう。
 
また、学芸員資格の学習過程では、資料や作品の価値を正確に把握し、その魅力を多くの人に伝えるスキルが養われます。このスキルは、企画や広告、出版業界など、文化に関連するさまざまな分野で活かせる可能性があります。
 

年齢別平均年収は安定しているが、非正規雇用が増えている点に注意

学芸員は、文化財や学術資料を守り、その価値を社会に広める重要な役割を担う職業です。平均年収は年齢とともに安定的に増加する傾向がありますが、近年の雇用環境では非正規職員の割合が増加しており、収入や雇用の安定性が課題となっているようです。
 
一方で、資格取得を通じて培われる専門性や伝える力は、美術館や博物館だけでなく他分野でも活かせる可能性があります。親としては、子どもの夢を支えつつ現実的なアドバイスを行うとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag 学芸員
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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