消防士になりたいという息子。「収入や福利厚生には満足している」が心配なのですが、プライベートの時間は十分に確保できているのでしょうか?
配信日: 2024.12.12
今回は、消防士の仕事内容や収入、福利厚生を詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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消防士ってどんな仕事?
消防士とは、各市町村で採用される地方公務員です。「消防官」と呼ばれることもありますが、正式には「消防吏員(りいん)」といいます。消防士になるには「消防士採用試験」に合格しなければなりません。
消防士と聞くと、消防車に乗って火災現場に出動し、消火活動や救助活動を行う人たちというイメージを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、消防士は、ほかにもさまざまな任務を担っています。
消火活動
消火活動の主な仕事は火消しです。火災現場にいち早く駆けつけ、被害を最小限に抑えるために消火活動を行います。消火活動が終わったら、警察と協力しながら火災原因を調査するのも消火活動の一環です。
救助活動(レスキュー)
火災現場だけでなく、交通事故や水辺(海、川、湖)、山岳地帯などの災害現場で人命救助を行うのも、消防士の仕事の一つです。地震や台風などの天災が発生した場合には、管轄する自治体だけでなく、近隣や全国の自治体と連携をとることもあります。
救急活動
110番の連絡を受けて、救急車で病気やけがの人の応急処置を行い、搬送するのも消防士の仕事です。症状や処置の内容を細かく報告して医師に引き継ぎます。救急活動は、救急課程研修を受けた「救急隊員」の資格を持つ隊員のみが担当できます。
防災活動・予防活動
火災や水難事故などが起こらないように、地域住民の防火・防災意識を高めるための活動や指導をするのも消防士の大切な仕事です。自治会や小中学校の防災訓練に参加したり、消防署の施設見学を受け入れたりするなど、さまざまな活動を行います。
さらに、火災や災害の発生を予防するために、消防設備や安全性をチェック・指導を行う「予防活動」も、消防士の仕事の一環です。火災を未然に回避することで、安全安心に暮らせる街づくりに欠かせない役割を担っています。
消防士の年収
総務省が公表する「令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況」によると、消防士の平均月収は、33万9802円であり、ボーナスを除いた年収は400万円を超えることがわかりました。
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者全体の平均年収はおよそ460万円です。この数字と比較すると、高水準の給与と年収であるとわかるでしょう。
地方公務員である消防士の給与は、勤務地や階級によって手当が支給されるため、採用エリアや役職によっても、給与に差が生じるケースも少なくありません。例えば、首都圏などのエリアに勤務する消防士の場合は、地域手当が支給されるため、地方で勤務する場合よりも給与が高くなる傾向にあります。
また公務員であることから、年収や身分が安定している点も大きな魅力です。長期にわたって現場で多くの経験を積んで、上の階級へと昇進すれば、より高い年収を得られるでしょう。
消防士の福利厚生・ライフスタイル
消防士は地方公務員であるため、福利厚生が充実しています。産前産後休業をはじめ、育児休業や部分休業、育児短時間勤務など、さまざまな福利厚生を利用可能です。
消防士の働き方には、「交替勤務」と「毎日勤務」の2つに分けられます。
交替勤務とは、24時間働いて24時間休むという働き方で、日を隔てて勤務することから隔日勤務とも呼ばれます。 全国の消防士の多くは、この交替勤務で働いていますが、その中でも2部制と3部制があり、自治体によって採用する勤務スタイルが異なります。
毎日勤務は、平日だけ働き、土日・祝日は休みという勤務スタイルです。 本庁業務の職員や予防業務に就く職員、管理職の職員は、一般的な公務員と同じような勤務形態を採用しています。
消防士採用試験に合格して消防士になる
不規則な勤務を強いられる消防士ですが、働き方に慣れれば、プライベートの時間も有意義に使えるようになるでしょう。消防士を目指す場合には、仕事内容や年収、働き方などを理解したうえで、公務員試験に合格するための準備を進めていきましょう。
出典
職業情報提供サイト 消防官
総務省 令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー