初ボーナスは「30万円」だったのですが、社会保険料と所得税が引かれていました…毎月給料で引かれているし何かの間違いでしょうか?

配信日: 2024.12.16

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初ボーナスは「30万円」だったのですが、社会保険料と所得税が引かれていました…毎月給料で引かれているし何かの間違いでしょうか?
源泉徴収票では、引かれる項目が確認できます。源泉徴収票でボーナスの手取り金額を確認する際、社会保険料や所得税が引かれており疑問に感じた経験のある方もいるでしょう。
 
ボーナス額が合っているか気になる場合は、源泉徴収される金額の計算方法を知っておくと、参考にできます。今回は、ボーナスから源泉徴収される金額の求め方やボーナスが30万円のときに引かれる金額などについてご紹介します。
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ボーナスからも源泉徴収はされる

源泉徴収は毎月の給料だけでなく、ボーナスからも実施されます。ただし、月収から引かれるときとは異なり、控除されるのは社会保険料と所得税のみです。住民税は引かれません。また、社会保険料を求める基準も月収のときと変わります。
 
月収から引かれるときは、給料を基に決められる「標準報酬月額」を使用しますが、賞与の社会保険料額で使用するのは賞与を基にした「標準賞与額」です。標準賞与額は、税金が引かれる前のボーナスで1000円未満を切り捨てた金額を指します。
 
社会保険料は、「標準賞与額×各税率」で計算します。また、健康保険料率は所属する都道府県や利用している保険によって異なる可能性があるため、確認が必要です。
 

所得税額の計算方法

ボーナスから引かれる所得税額の計算方法も、月収のときと変わります。求め方は以下の通りです。

(1)前月の月収から社会保険料等を引く
 
(2)「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」内の甲欄で当てはまるところに記載されている税率を確認する
 
(3)(ボーナス-社会保険料)×(2)の税率で算出

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」とは、国税庁の公式サイトでも確認できる所得税(復興所得税含む)を計算するために、原則として使用する表です。ボーナスから社会保険料を引いた金額と扶養人数によって税率が決められています。
 
なお、受け取るボーナスの金額が「ボーナスの前月の月収×10」を超えていたりボーナスの前月に月収がなかったりしたときは、計算方法が異なるため注意しましょう。
 

30万円のボーナスを受け取ったときは合計いくら引かれる?

今回は、以下の条件で30万円のボーナスを受け取ったときに引かれる金額を計算しましょう。

・東京都在住
 
・20代
 
・扶養人数0人
 
・月収は20万円で一定
 
・健康保険料率は全国健康保険協会のものを使用

まず、月収20万円の社会保険料(月額)を求めます。条件を基にすると、各社会保険料額は以下の通りです。

・健康保険料:9980円
 
・厚生年金保険料:1万8300円
 
・雇用保険料:1200円
 
・合計:2万9480円

月収から2万9480円を引いた17万520円を算出率の表で確認すると4.084%です。
 
次に、ボーナスに対する社会保険料を計算します。今回の条件だと健康保険料率は9.98%、厚生年金保険料率は18.3%を企業と折半するので、金額は以下の通りです。なお、雇用保険料率は0.6%です。

・健康保険料:1万4970円
 
・厚生年金保険料:2万7450円
 
・雇用保険料:1800円
 
・ボーナスの社会保険料合計額:4万4220円

ボーナスから4万4220円を引くと25万5780円です。税率は4.084%なので、ボーナスの所得税は約1万446円が課されます。
 
社会保険料と合算すると、ボーナスから引かれる金額は5万4666円です。
 
なお、源泉徴収は仮の金額として所得税が引かれているので、年末調整により一部戻ってくる可能性があります。
 

ボーナスからも社会保険料や所得税は引かれる

社会保険料や所得税は、毎月の給料だけでなくボーナスからも引かれる項目です。引かれる金額は、支給額以外に前の月の月給や扶養している人数などによっても変わります。
 
今回のケースだと、ボーナスが30万円のときに引かれる金額は約5万5000円です。ただし、加入している保険や住んでいる場所によっては変わる可能性があるため、あくまでも参考にしましょう。
 

出典

全国健康保険協会 協会けんぽ 令和6年度保険料額表(令和6年3月分から) 被保険者の方の健康保険料額(令和6年3月~)東京
国税庁 令和6年分 源泉徴収税額表(15ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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