今年社会人になった娘に「家に5万円を入れて欲しい」とお願いしたのですが、断られてしまいました。「手取り」は「18万円」なので、実家暮らしであれば十分可能だと思うのですが…。
配信日: 2024.12.21
しかし、手取り18万円の中から生活費を5万円入れて欲しいと頼んでも断られた場合、何か理由があるのか知りたいと思う人がいるかもしれません。
今回は、実家暮らしの社会人が実家にお金を入れている割合や平均額、生活費はもらった方がよいのかといったことについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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実家暮らし社会人の懐事情
学校を卒業して、初めてまとまったお金を手にする人も多くいるでしょう。一人暮らしをしていないのであれば、家賃や食費といった費用がかからない傾向があるため、生活費に余裕がありそうです。
独り立ちする前にお金の使い方を学んで、金銭感覚を身に付けて欲しいと考えている親もいるでしょう。では、実家暮らしの社会人の何割ほどが、生活費を入れているのでしょうか?
実家暮らしの社会人のうち生活費を入れている人の割合
株式会社モデル百貨が2023年に実家暮らしの社会人(独身)に対して行ったアンケートによると、実家にお金を入れている人は全体の61%でした。
注目するポイントは、実家にお金を入れている人と入れていない人の平均年収の違いです。お金を入れている人の平均年収は343万7129円、入れていない人の平均年収は185万5872円となっており、およそ160万円の差があります。
このことから、実家に生活費を入れるかどうかは本人の収入が影響していることが予想できます。
実家暮らしの社会人が家に入れる平均額
アンケートによると、実家暮らしの人が実家に入れるお金の平均は5万4009円、中でも20代の平均は3万3232円となっています。では、手取り18万円でこの額を家に入れるのは妥当なのでしょうか?
ひと月当たりの手取りが18万円の場合、年間の手取り額は18万円×12で216万円です。手取り額は年収のおよそ75%~85%といわれていることから、手取り216万円の人の年収はおよそ254万円~288万円と予想されます。
家にお金を入れている人の平均年収343万7129円と比べ55万円以上少ないことから、毎月5万円家に入れるのは厳しい可能性があると考えられます。20代の社会人が家に入れている平均額が3万3232円であるのも、20代の平均年収が全体の平均年収よりも少ないことが理由の1つだと考えられます。
実家暮らしの社会人から生活費をもらうべき?
実家暮らしの社会人から生活費が欲しいと思う人もいるかもしれませんが、アンケートの結果を見る限りでは、子どもの収入によってはもらわない選択肢もあることが分かります。
社会人になると、社会保険料や住民税、仕事に関連する服飾費や通勤費など学生の頃には掛からなかった費用が掛かるようになります。また、将来のための貯蓄を始める人や、資格の取得などのスキルアップに力を入れる人もいるかもしれません。実家暮らしでも、必ずしも余裕があるとはいい切れない可能性もあるでしょう。
しかし親としても、定年退職や親の介護、自分自身の体調不良など、生活費が欲しいと考えることもあるかもしれません。そのような場合は、それぞれの事情に合わせて無理のない生活費を出してもらうとよいでしょう。
収入が上がった場合や、親が働きに出られるようになったなど、状況が変わった際には、再度話し合いをして生活費の額を相談してみてください。
親側が「もらわなくても問題ない」という場合でも、毎月決まった額を給料からもらうことで、残った額をどのように使っていくか、子どもがお金の管理を考えるようになるきっかけにつながる可能性もあります。将来的に家を出る可能性もあることから、家計管理を学ぶよい機会ととらえるのもよいでしょう。
実家暮らしの社会人から生活費をもらうかは、親子それぞれの収入事情も踏まえ相談しよう
実家暮らしの社会人で、家に生活費を入れているのは全体の61%です。親の定年退職や体調不良などにより、生活費を入れて欲しいと思う場合もあるかもしれませんが、子ども側も、将来のための貯蓄や自己投資といった必要経費が多く必要な可能性もあります。
生活費を入れて欲しい場合は、それぞれの状況を話し合い、無理のない範囲で入れてもらうようにしましょう。
出典
株式会社モデル百貨 実家暮らしの社会人(独身)に対して行ったアンケート(PRTIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー