共働きで2人の子育てをするのが体力的に大変です。専業主婦になって子育てに集中したいのですが、専業主婦になれる最低年収はいくらでしょうか?

配信日: 2025.01.12

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共働きで2人の子育てをするのが体力的に大変です。専業主婦になって子育てに集中したいのですが、専業主婦になれる最低年収はいくらでしょうか?
子育てと仕事を両立するには、多くの体力と時間を費やす必要があります。できれば専業主婦になって、子育てと家事に注力したいと考える人も多いでしょう。
 
共働きから専業主婦世帯に移行するには、夫に十分な収入があることが不可欠です。本記事では、専業主婦になるにはどのくらいの年収があればよいのかや、家計を上手にやりくりするポイントを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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専業主婦世帯は年々減少傾向にある

収入に余裕があれば、専業主婦になって子育てに専念したいと考える人は多いでしょう。しかし実際には、専業主婦世帯は減少の一途をたどっているのが現状です。
 
独立行政法人労働政策研究・研修機構が公開している統計資料には、1990年代後半に共働き世帯の数が専業主婦世帯を追い越し、2023年時点では共働き世帯1278万世帯に対して、専業主婦世帯は半分以下の517万世帯にとどまっていることが示されています。
 
妻が専業主婦を選択する大きなメリットは、子育てや家事に注力でき、仕事との両立による時間面、体力面の負担を軽減できることです。また、家計の面では、夫の被扶養者になることで健康保険料や年金保険料を負担することなく、制度の恩恵を受けられるようになります。夫が配偶者控除を受けることで、所得税や住民税を節税できることも利点です。
 
一方で、家計を夫のみの収入で維持することとなり、共働き世帯と比べて世帯年収が上がりにくいというデメリットもあります。また、夫の収入が減少したり万が一働けなくなったりした場合に、生活が困窮するリスクもはらんでいます。
 
女性の社会進出が進んだことに加えて、子育て資金や老後資金の確保のために経済的な安定を重視する人が増えたことが、専業主婦世帯が減少した一つの理由でしょう。

 

専業主婦になるのは難しい? 必要な年収はどれくらい?

専業主婦になるのに、必要な世帯年収がどのくらいか考えてみましょう。国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者5076 万人の平均給与は460万円です。
 
総務省「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)」によると、4人世帯の1ヶ月当たりの消費支出(生活費)は32万6674円です。1年間では400万円程度が日常の生活費として支出される計算となります。
 
さらに、預貯金や生命保険などの保険料、住宅ローンの返済金、クレジットの支払いなど、消費支出に含まれないお金の支払いも夫の収入でまかなうと考えると、平均年収460万円では足りない可能性があるでしょう。
 
例えば、住宅ローンの返済が月10万円、各種保険の支払いが月5万円あり、年収の1~2割程度を預貯金に回す場合、妻が専業主婦でも家計を問題なく回すには、夫の年収が最低でも700万円程度必要となる計算です。
 
ただし、この金額は一つの目安であり、各家庭の支出状況や生活スタイルによって必要な年収は変わってきます。家計のやりくりなどによっては、700万円より低い年収でも専業主婦になることは可能でしょう。

 

専業主婦でも家計を上手にやりくりするためのポイント

共働きをやめて専業主婦になり、夫の収入だけで家計を上手にやりくりするために、まずは家計簿などを活用して家計全体を把握することが大切です。
 
そのうえで、教育費など共働きのときと同じ水準を保ちたい部分や収入に合わせて支出をおさえる部分などの内容を見直すことで、質を保ちながら支出をおさえられそうな通信プランや保険の特約などの固定費を整理してみましょう。
 
また、収入が減少する分を、資産運用で「増やしながら貯める」方法で補うのも手です。NISAやiDeCoなど税金面で有利になる制度を活用するなど、家庭に合った方法で計画的に資産形成しましょう。
 
さらに、妻自身の病気や夫が万が一働けなくなった場合に備えて、医療費や収入を保障する保険への加入も検討するのがおすすめです。

 

現在の家計を把握して必要な年収の見通しを立てよう

夫婦と子ども2人の世帯の家計を夫の収入だけで支えるには、平均よりも高い年収が必要となる可能性が高いでしょう。しかし、実際にいくら必要となるのかは、各家庭の支出の内容などによって異なります。
 
大切なのは、現在の家計を把握したうえで、夫のみの年収でやりくりできるかどうか、やりくりするためにはどのような見直しが必要かを整理することです。節約や資産運用などの方法を活用して、専業主婦でも余裕のある家計を目指しましょう。

 

出典

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 早わかり グラフでみる長期労働統計 II 労働力、就業、雇用 図12 専業主婦世帯と共働き世帯
総務省統計局 家計調査 二人以上の世帯 2023年 第3-1表 勤労世帯
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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