「複数拠点生活者」の収入分布は「2000万円以上」が5%!別荘の維持費用についても解説
配信日: 2025.01.18
今回は、別荘の購入から維持費まで、気になるお金の話を徹底解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
複数拠点生活者の収入分布
一般社団法人不動産流通経営協会は、20歳から79歳の男女を対象に「複数拠点生活」に関する意向調査を実施しました。この調査では、複数拠点居住を行っている人々の個人年収と世帯年収について、表1の結果が得られました。
表1
個人年収 | 世帯年収 | |
---|---|---|
200万円未満 | 25.4% | 6.2% |
200万円以上~300万円未満 | 9.8% | 7.0% |
300万円以上~400万円未満 | 9.7% | 9.6% |
400万円以上~500万円未満 | 11.0% | 9.3% |
500万円以上~600万円未満 | 8.6% | 8.7% |
600万円以上~800万円未満 | 10.3% | 15.1% |
800万円以上~1000万円未満 | 7.8% | 11.8% |
1000万円以上~2000万円未満 | 7.9% | 16.7% |
2000万円以上 | 2.8% | 5.0% |
不明 | 6.7% | 10.6% |
出典:一般社団法人不動産流通経営協会「複数拠点生活に関する意向調査」より筆者作成
個人年収では「200万円未満」が25.4%と最も多く、低所得者層が大きな割合を占めていることが分かりました。世帯年収では「600万円以上~800万円未満」(15.1%)や「1000万円以上~2000万円未満」(16.7%)が多く、複数拠点居住者の世帯全体としては比較的高収入の傾向があるといえます。
サブ拠点の維持費は月平均5万4000円
上記と同じ調査の中では、サブ拠点の維持費についての質問もあり、月平均で約5万4000円、年間では約65万円の維持費をかけていることが分かりました。この維持費には、賃貸の場合は家賃や管理費、所有の場合はローン返済、建物の修繕費、管理費、固定資産税などが含まれています。
熱海市の別荘市場:2000万円以下が主流
ここでは、実際の別荘の購入価格について見ていきましょう。東京から気軽に行ける温泉地でもある熱海市では、別荘などを所有している全ての人を対象にアンケート調査を実施しました。この調査では、別荘の購入価格について、表2の結果が得られています。
表2
別荘購入価格 | 割合 |
---|---|
1000万円未満 | 31.5% |
1000万円代 | 23.3% |
2000万円台 | 17.5% |
3000万円台 | 14.0% |
4000万円台 | 5.1% |
5000万円以上 | 8.6% |
出典:熱海市「別荘等所有者アンケート調査報告書」より筆者作成
熱海市においては、別荘市場の価格帯は2000万円以下が中心であることが分かりました。
別荘購入のメリット・デメリット
別荘を購入する際には、メリットとデメリットを十分に理解し、自分に合った選択をすることが大切です。
別荘購入のメリット
別荘を購入する最大の魅力は、自分の理想とする環境を手に入れられる点にあります。普段の生活では、仕事の都合で勤務地の近くに住む必要があるため、自分が望む土地に住むことは難しい場合が多いでしょう。
しかし、別荘を持つことで、大型連休などを活用して、好きな場所で特別な時間を過ごすことができます。さらに、別荘はリタイア後のセカンドライフの拠点としても役立ちます。将来的に自分の暮らしをより充実させるための場所として、別荘を選ぶのは有意義な選択といえるでしょう。
別荘の活用目的はレジャーだけではありません。例えば、大規模な災害が発生した際には、家族の避難先として利用することも可能です。特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では、緊急時に家族が集まる場所として安心感を得られます。このように、別荘は安全な生活基盤としての役割も果たします。
別荘購入のデメリット
魅力的なポイントが多い一方で、別荘には注意すべき課題も存在します。その1つが維持費です。別荘を持つということは、2軒目の家を所有することになるため、光熱費や修繕費、管理費といった費用が追加で発生します。また、別荘に訪れる頻度が少ない場合、維持管理が大きな負担となることもあるでしょう。
頻繁に訪れる場合は、自分で掃除や管理を行うこともできますが、年に数回しか利用しない場合は、専門業者に管理を依頼しなければ維持できなくなる可能性もあります。このような費用も事前に計画に組み込むことが重要です。
別荘を持つためには、2000万円以下の物件を購入し、年間維持費約65万円を確保できる収入が必要
別荘を持つためには、2000万円以下の物件を購入し、年間維持費約65万円を確保できる収入が必要です。世帯年収で600万円以上が現実的な目安となりますが、ライフスタイルに合わせて無理のない計画を立てることが大切です。
出典
一般社団法人不動産流通経営協会 複数拠点生活に関する意向調査
熱海市総合政策推進室 別荘等所有者アンケート調査報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー