市営住宅で家賃「9万円以上」!? 収入の上限いっぱいで家賃が「最高額」になったという知人はどれくらい稼いでる?
配信日: 2025.01.25
中には、収入の上限いっぱいで家賃が9万円を超えることも。今回の事例で家賃が最大になったという知人はどれくらい稼いでいるのでしょうか。
今回は、市営住宅へ入居するときの収入基準や家賃の仕組みについて調べてみました。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
市営住宅へ入居するときの収入基準
市営住宅は、住宅に困っている収入の少ない方を対象にした公共の住宅のことです。一般の賃貸住宅とは異なり、礼金・更新料・仲介手数料などが不要で、家賃が安いなどのメリットがあります。また収入に応じた家賃形態で、経済的な負担が軽減されるのです。
市営住宅へ入居するには、入居資格のひとつである収入基準を満たす必要があります。これは政令月収のことで、1年間の世帯総所得金額を計算して、該当する年間総控除金額を差し引いてから残りの金額を12ヶ月で割って計算します。横浜市によると、収入基準は以下の通りです。
・一般世帯:15万8000円以下
・裁量階層(高齢者世帯、障がい者世帯など):21万4000円以下
一般世帯および給与所得者を例にすると、入居世帯人数および入居しない扶養親族数(申込者を含む)ごとの源泉徴収票の支払金額欄の額の目安は以下の通りです(世帯の中で収入のある方が1人かつ給与所得のみの場合)。
・単身者:296万7999円以下
・2人世帯:351万1999円以下
・3人世帯:399万5999円以下
・4人世帯:447万1999円以下
市営住宅に住んでいる知人は、入居時にこれらの収入基準を満たしていたことになります。
市営住宅の家賃は収入に応じて変化する
市営住宅は種類によって、世帯の収入や住宅の広さ・築年数などに応じて家賃が決まる「応能応益家賃制度」が導入されています。そのため毎年世帯収入を申告しなければなりません。大阪市によると、家賃の算定方法は以下の通りです。
・家賃算定基礎額×住宅係数(立地係数×規模係数×経過年数係数×利便性係数)
住宅によって実際の家賃は異なるため、一概に比較はできませんが、同じく大阪市によれば、政令月収に応じて家賃算定基礎額は表1のように定められています。
表1
収入区分 | 政令月収 | 家賃算定基礎額 |
---|---|---|
1 | 10万4000円以下 | 3万4400円 |
2 | 12万3000円以下 | 3万9700円 |
3 | 13万9000円以下 | 4万5400円 |
4 | 15万8000円以下 | 5万1200円 |
5 | 18万6000円以下 | 5万8500円 |
6 | 21万4000円以下 | 6万7500円 |
7 | 25万9000円以下 | 7万9000円 |
8 | 25万9000円超 | 9万1100円 |
出典:大阪市「市営住宅の家賃について」を基に筆者作成
市営住宅で「家賃9万円以上」の知人はいくら稼いでいる?
収入の上限いっぱいで家賃が最大の9万円超えになったという今回の知人の場合、いったいいくら稼いでいるのか気になるでしょう。前述の通り、家賃は「家賃算定基礎額×住宅係数」で決まるため、一概に比較はできませんが、収入区分の最大である「区分8」であると仮定した場合、知人の政令月収は25万9000円を超えていると考えられます。
年収に換算すると310万8000円ですが、給与所得控除に加えて以下のような特別控除が引かれている場合があります。
・同居者控除:1人につき38万円
・老人扶養親族等:1人につき10万円
・扶養親族(16歳以上23歳未満):1人につき25万円
・障がい者:1人につき27万円
・特別障がい者:1人につき40万円
世帯の人数や家族構成などの状況によって複数の控除が適用されている場合があるため、一概に年収を推測することはできません。
なお、収入が高額になって「高額所得者」とみなされる場合、市営住宅の目的とは見合わなくなり、原則として期限を定めて住宅の明け渡しが請求されることになっています。このまま年収がアップすると、知人は市営住宅に住み続けられなくなる可能性があるでしょう。
収入の上限いっぱいで家賃がMaxの知人は政令月収25万9000円を超えていることが考えられる
市営住宅は収入基準が定められていて、年収がアップすると家賃が高くなる仕組みです。家賃は住宅係数によっても異なるため一概にはいえませんが、「収入の上限いっぱいで家賃が最大の9万円を超えた」という知人の場合、政令月収は25万9000円を超えていることが考えられます。
政令月収は世帯の総所得金額から同居者控除や特別控除を計算して差し引き、12ヶ月で割ったものです。上記の政令月収を年収に換算すると310万8000円ですが、それ以上に稼いでいる可能性があります。
知人の年収がこれからもアップしていくと、住宅に困っている収入の少ない方を対象としている市営住宅には、このまま住み続けられなくなる可能性があるでしょう。
出典
横浜市
大阪市 市営住宅の家賃について
大阪市 政令月収の算出方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー