最終更新日: 2020.04.07 公開日: 2019.02.04
相続

相続税が意外に高くてビックリしないために仕組みと2つの特例をご紹介。

執筆者 : 宮路幸人

平成27年の相続税基礎控除引き下げ(従来の60%)の影響により、相続税の申告対象者が倍増することとなりました。
 
都内は土地の価格が高いため、戸建住宅を所有しているだけでも申告が必要になるケースが多く、相続税が一般の方々にも身近なものとなっています。
 
相続税には各種特例があり、この特例を適用した場合、納税義務が発生しないケースもあります。しかし、その場合でも、申告期限までに遺産分割が確定していることや、申告が適用要件となっているものが多いため注意が必要です。
 
ここでは簡単に、相続税の仕組みと主な特例について確認していきます。
 
 
宮路幸人

執筆者:

執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)

税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有

不動産・相続に強みがあります。会計事務所勤務が長く実務経験が豊富です。フットワ-クが軽くお客様のニーズに応えるよう日々努力しております。また離島支援活動も積極的に行っております。

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相続税の基礎控除の改正

平成27年の相続税改正により基礎控除が大幅に引き下げられました。
 
例えば従来、相続人が妻と子供2人の場合、
平成26年度まで 基礎控除額は5000万円+1000万円×法定相続人3人=8000万円でしたが、
 
平成27年度から 基礎控除額は3000万円+600万円×法定相続人3人=4800万円という具合に、基礎控除額が60%引き下げられました。
 
この影響は大きく、国税庁によると、それまで4%程度だった相続税の課税対象者は、平成28年度は全国で8.1%、東京都内に限れば12.8%に増加しました。都内は土地の価格が高いため、戸建住宅の土地の価格だけで基礎控除額を超える場合もあり、対象者が倍増することとなったのです。
 
相続税の主な相続財産の内訳を見てみると、土地が38%、現金・預貯金が31.2%、有価証券が14.4%、家屋5.5%となっており、相続財産に占める土地の割合の大きさを示しています。
 
ちなみに平成30年度の路線価最高額は、33年連続1位の銀座鳩居堂前で1平方メートルあたり4432万円となっております。1平方メートル所有しているだけでも申告が必要になりそうな額でびっくりですね。これはバブル期を超え過去最高額だそうです。
 

相続税の申告、配偶者控除の特例、小規模宅地等の特例

相続税について、もう少し詳しく見ていくとしましょう。
 

1.相続税の申告が必要な場合

「相続財産(プラスの財産)」から「債務・葬式費用(マイナスの財産)」を差し引いた金額が「遺産に係る基礎控除額」を超える場合には相続税の申告をする必要があります。
 

2.相続税の申告期限と納付期限

相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告が必要です(通常は亡くなった日から10ヶ月/例:1月20日死亡→11月20日が期限)。
 

3.遺産に係る基礎控除額

3000万円+(600万円×法定相続人の数)
 

4.「相続者の税額軽減の特例」

配偶者に対する相続税については、主に同じ世代間への財産移転であり、次の相続が遠からず発生し相続税がまた課されること、長年連れ添ってきた配偶者に対する配慮、死亡後における生存配偶者への生活保障への配慮、残された遺産への配偶者の寄与分を考慮し、大幅な軽減措置が講じられています。
 
配偶者が取得した遺産額については、次の金額のどちらか多い金額までは相続税がかかりません。
 
(1)1億6000万円
(2)配偶者の法定相続分相当額
 
このように、相続税は配偶者に対しては大きな配慮がなされているのが分かります。ただし、申告期限までに分割が確定している財産に限られ、未分割の財産は含まれないこととなっております。また配偶者は婚姻の届出をしている者に限られ、いわゆる内縁関係は含まれません。
 

5.「小規模宅地等の特例」

 小規模宅地等の特例には居住用のほか、事業用宅地、貸付宅地など、いくつか種類がありますが、ここではもっとも身近な居住用宅地について確認してみたいと思います。
 
居住用小規模宅地の特例とは、簡単に言うと被相続人と同居していた人がその土地を相続し、居住用として使用した場合は、その土地の評価について330平方メートルまでは土地の評価を8割減の2割で評価してもよいという特例です。
 
例えば自宅の土地が1億円であった場合、その土地は8割減の2000万円で評価してもよいというものです。こうなると基礎控除以内に収まったりしますので、すごく有利ですよね。
 
この特例も申告期限までに遺産分割が確定していること、および相続税の申告をすることが要件となっております。この特例は有利であるがゆえに悪用されることもあるため、毎年のように改正がなされています。適用を申し出る際には、事前によく確認することが必要です。
 
以上、簡単ではありますが相続税の大まかな仕組みと、主な特例について述べてみました。ここで挙げた2つの特例をうまく活用すれば、相続税がかからないケースも多いと思われますので、参考にしてみてください。
 
出典
国税庁「平成28年分の相続税の申告状況について」
東京国税局「平成28年分の相続税の申告状況について」
 
執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)
税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有
 



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