最終更新日:2019.06.18 公開日:2019.04.18
相続

「孫に上場株式を贈与したい」祖母が孫への生前贈与を選んだ理由 前編

相続問題が話題になることが増えました。皆さんが一番気になるのは不動産です。相続人が複数いる場合、“平等に分けにくい”ことが悩みのタネになります。しかし、相続の対象になるのは不動産だけではありません。今回は有価証券について考えます。
 
宮﨑真紀子

執筆者:

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい…。そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

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宮﨑真紀子

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執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい…。そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

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不動産以外の相続財産にも目を向ける

平均寿命が延び、90歳を過ぎてもお元気なシニアが多くなりました。相続対策は先の話、と構えている方も多いようですが、知識や情報はキャッチしておいて損はありません。知ると、「本気で始めなくては」という気持ちになると思います。
 
相続の問題には大きく3つの対策があります。(1)相続人の間で納得のいく遺産分割対策 (2)相続税の節税対策 (3)相続税の納税対策です。問題には余裕を持って対策することが重要です。というのも、相続が発生してから出来ることは限られているからです。
 
相続税や贈与税の税額を算出する場合、相続財産、贈与財産の評価額は「時価」になります。
 
「自宅の不動産は、祖父が買った時は2000万円でした」といっても、時価が4000万円なら評価額は4000万円になります。相続なら相続発生日の時価、贈与なら贈与日の時価となるのが原則です。
 
上場株式の贈与についても、一例から見ていきましょう。Aさんは祖母から上場株式を贈与されました。祖母が孫のAさんに株を贈与した理由は3つあります。
 

a.生前贈与により、相続財産の総額を減らす

相続税の節税対策として、生前贈与により相続財産を減らすことは有効です。年間110万円の基礎控除額を考慮した暦年贈与を行うことにより、資産を減らす方も多いです。
 
この手法を使う場合に、注意する点があります。相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産は、贈与時の財産評価額を相続財産に加算される点です。もし来年、祖母の相続が発生したら、Aさんの父は相続人となります。
 
Aさんではなく父がこの株式を贈与されていたら、相続財産として加算されることになります。Aさんは相続人ではありませんので、この心配はありません。
 

b.渡すタイミングを決められる

上場株式の相続税(贈与税)評価額は、課税時期の終値(取引価格)と課税時期の属する月以前3か月の各月ごとの終値(取引価格)平均額のうち最も低い価額となります。
 
<課税時期が4月10日の場合>
1.4月10日の終値
2.4月の毎日の終値平均額
3.3月の毎日の終値平均額
4.2月の毎日の終値平均額
以上の1~4の中で、最も低い金額となります。
 
4月10日が休日などで終値が無い場合は、その前後で最も近い日の終値になります。終値が2つある場合は、それらの平均額になります。相続の発生はいつ起こるか分かりません。贈与なら、株価の動きをみて実行することが出来ます。
 

c.将来値上がりしそうな財産を贈与する効果

100万円の現金と100万円分の株式を比較すると、現在の価値は同じでも、将来は違ってきます。成長が期待される企業の株式であれば、値上がりが予想されます。現金ではなく株式を贈与しておくことで、祖母の財産を増やさない効果があります。
 

相続の前に贈与を考える

孫に上場株式を贈与することによる「相続財産を減らす効果」をみてきました。贈与には、贈与者(贈り主)と受贈者(受取人)が存在します。今回の例では、祖母と孫です。孫が受取ったことを見届けることは、祖母の安心にも繋がるのではないかと考えます。
 
遺言で遺すことは出来ますが、見届けることは出来ません。相続は“誰に何を遺すか”を考えますが、生きている間に“あの人に○○を贈る”贈与も考えてはいかがでしょうか。生前贈与には暦年贈与以外にも、相続時精算課税制度を使う方法もあります。
 
また、住宅取得資金や教育資金、結婚・子育て資金といった目的別の贈与に係る非課税制度もあります。どれを選ぶかを、贈与者と受贈者だけでなく家族全員で話しておくと、後々の相続問題を回避することにも繋がります。時間をかけることは、ここでも大切です。
 
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
 

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