更新日: 2020.03.19 その他相続

相続放棄を検討しているのであれば、気をつけたいこと

執筆者 : 岡田文徳

相続放棄を検討しているのであれば、気をつけたいこと
「遺産を相続したものの、借金の方が多かった」というような場合、相続放棄を検討しているという人がいるでしょう。相続放棄は法律に則って行わなければなりません。
 
遺産の一部をすでに使ってしまったり、相続人であると知ってから3ヶ月以上経ってしまったりした場合、相続放棄できないこともあります。このような事態を避けるために相続放棄について確認しておきましょう。
 
岡田文徳

執筆者:岡田文徳(おかだふみのり)

認知症大家対策アドバイザー

人生100年時代を生き抜くために大家さんの認知症対策と不動産賃貸経営のサポートを行なっている。

祖父が認知症になり、お金が下ろせない、賃貸業はストップ、収益の出ない物件を買わされそうになる。

祖父の死後、両親と認知症対策を行い、自ら賃貸経営ノウハウや人脈を構築し、日々改善している。

現在は、大家さん向けにセミナーやコンサルティングを行なっています。

相続放棄するとはいうものの……

お正月やお盆休みに家族が集まるときに、相続に関して、家族で話し合いを行うことがあると思います。親族のなかには、「自分は相続放棄するから」という人がいるかもしれません。専門家が話す「相続放棄」と専門家でない人が話す「相続放棄」では、意味が異なることがあります。
 
専門家でない人が話す「相続放棄」は、「遺産をもらわない」という意味であって、法律に則った相続放棄ではないことがほとんどです。他の親族は遺産を相続し、その人物だけ遺産をもらわない場合、遺産分割協議で「遺産をもらわない」ことに同意することになります。
 
この場合は、法律的には相続放棄ではないということを理解しておくとよいでしょう。
 
法律に則った相続放棄とは、簡単にいうと遺産の一切を相続しないことになります。個別案件によって、気をつけるべきことは異なりますので、詳細は弁護士に相談することをオススメします。

法律に則った「相続放棄」をする前に気をつけるべきこと

法律に則った「相続放棄」を行いたいと思っても、法律に則った「相続放棄」ができない場合があります。
 
相続人は、相続が発生したことを知ったときから3ヶ月以内に、相続放棄をしなければなりません。3ヶ月以内という期限があることはさまざまなメディアで伝えられていることですので、知っている人も多いかもしれません。
 
しかし、一番気をつけなければならないのは、次に示すことです。
 
相続放棄を行った後でも、相続財産の一部を使ってしまった場合は、遺産のすべてを相続する「単純承認」とみなされてしまいます。法律に則った「相続放棄」を行うことを考えている場合には、とりあえず遺産には手をつけずに、専門家に相談しましょう。
 
お伝えしたことは一部分でしかありませんが、民法に記載されています。なかなか読む機会はないかもしれませんが、相続では民法を知らなかっただけで損することもあります。このため、法律に則った「相続放棄」を行う場合、自分で判断するのではなく、専門家に相談することをおすすめします。
 
まとめると、
・専門家が話す「相続放棄」と専門家でない人が話す「相続放棄」の違いを理解する。
・法律に則った「相続放棄」を行う前に専門家に相談する。
・法律に則った「相続放棄」を行うのであれば、3ヶ月以内に行う。
・法律に則った「相続放棄」を行うのであれば、相続財産の一部でも使うことがないようにする。

 
相続が開始される前に法律に則った「相続放棄」を検討している場合には、専門家に相談しておきましょう。
 
[出典](※)e-Gov「民法(明治二十九年法律第八十九号)」
・法定単純承認について、「民法第九百二十一条」
・相続放棄について、「民法第九百三十八条から九百四十条」
 
執筆者:岡田文徳
認知症大家対策アドバイザー


 

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