更新日: 2021.07.16 その他相続

養子である兄がなくなった…この場合相続ってどうなるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

養子である兄がなくなった…この場合相続ってどうなるの?
再婚相手に子どもがいる場合や、実子を連れて再婚した場合、相続問題のトラブルになりやすいと言われています。
 
今回は、養子縁組の制度とは何か、また養子である兄がなくなった場合、相続はどうなるのかについて詳しく解説します。相続における養子はどのように扱われるのかを、詳しく見ていきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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養子縁組は2種類ある

養子縁組は、普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。普通養子縁組と特別養子縁組という言葉は知っていても、具体的な違いについて知っている方は少ないのではないでしょうか。
 
まず、この見出しではそれぞれの養子縁組の制度について詳しく解説します。しっかりと理解しておきましょう。
 

普通養子縁組

普通養子縁組とは、養子が実親との親子関係を保持したまま、養親との親子関係をつくる養子縁組のことです。私たちが一般的に「養子」と言っているものは、この普通養子縁組を指します。
 
いわゆる「婿養子」や相続対策のために「孫を養子」にするケースや再婚のときに子を再婚相手の養子にするというケースは、この普通養子縁組になる場合が多いです。
 

特別養子縁組

特別養子縁組は、「こどもの福祉」のためにつくられた制度。子どもが実親との親子関係を戸籍上でも断ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いにする養子縁組です。
 
養子は原則6歳未満、養親は原則25歳以上で配偶者がいることなどの要件があります。特別養子縁組する場合は、養親から家庭裁判所に申し立てしなくてはいけません。
 
実親のもとで養育されていない子どもを養子にするケースや、実親が育てられない子どもを親戚が引き取るケースなどが特別養子縁組に当てはまります。
 

養子の相続権

普通養子縁組と特別養子縁組の違いについて理解したところで、次は養子の相続権について見ていきましょう。普通養子縁組と特別養子縁組では、相続権にどのような違いがあるのかを、しっかり理解しておいてください。
 

普通養子縁組の相続権

普通養子縁組の場合、実親との親子関係は残るため、元の兄弟姉妹関係も切れません。そのため、養子縁組前の兄弟姉妹・養子先の兄弟姉妹があることになります。
 
兄弟姉妹がなくなった場合、状況にもよりますが、どちらも相続人としての関係ができます。
 
また、これは兄弟姉妹に限らず、実親・養親の場合も同じように考えます。
 

特別養子縁組の相続権

特別養子縁組の場合は、実親との親子関係が解消されるため、元の兄弟姉妹との関係は切れます。そのため、兄弟姉妹がなくなった場合、養子先の兄弟姉妹のみ相続権があるということになります。
 
兄弟姉妹が実親か養親かで大きく変わってくるため、普通養子縁組との違いに注意してください。なお、実親がなくなった場合も相続権はありません。
 

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代襲相続に気を付けること

代襲相続とは、被相続人が死亡したときに、子がすでに死亡していた場合、孫や兄弟姉妹の子どもが相続人となることを言います。代襲相続人は、死亡した相続人の直系卑属か死亡した兄弟姉妹の子の2つのいずれかの場合のみです。
 
しかし、養子の場合、養子縁組を結ぶよりも前に生まれた子どもは、養親との間に親族関係が生じないため代襲相続ができません。代襲相続は、子どもが生まれたタイミングにより権利が変わってくることを理解しておいてください。
 

養子についてしっかりと理解することが大切

養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組があり、それぞれ内容も大きく変わってきます。養子縁組を結べば、法律上の親子関係が生じることにより、遺産相続の際にトラブルになるのはよくある話です。大きなトラブルを避けるためにも、この記事を参考にして養子の相続権をしっかりと理解しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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