相続対策にはどのようなものがある? どのような場合に対策が必要?
配信日: 2021.07.20
相続人の手続きの手間や精神的・金銭的な負担を軽減するために、相続対策は欠かせません。そこでこの記事では、手続き対策・トラブル対策・税金対策の3つに分けて、相続対策の具体的な方法を解説します。
相続対策でお困りの方は、ぜひご参考ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
相続手続き対策
遺す相続財産が多数ある場合には、相続人が相続財産の詳細を把握することが困難になり、相続人手続きが滞ることがあります。
そのため、相続手続きを円滑にする対策をとっておくとよいでしょう。具体的には、次のような方法が考えられます。
■事前に財産内容を相続人に伝える
相続人に財産の内容や、財産に関する書類や資料の保管場所などを事前に伝えておくことで、相続が発生した際の相続財産の把握が容易になります。
■目録などを作成する
財産の内容が一目で分かる資料を作成しておくことも有効です。
・財産や取引金融機関をノートにまとめる
・財産内容を詳細に記載した遺言書を作成する
■取引を整理する
取引を整理しておくと相続手続きの負担軽減になります。
・使用していない口座を解約して銀行口座をまとめる
・債務をできるだけ解消する
・不要な会員権や不動産を売却する
相続トラブル対策
相続人が多い場合や法定相続どおりでない遺産分割をしたい場合には、相続人の間でトラブルが発生する可能性があります。トラブルを未然に防ぐために、次のような対策をとっておくとよいでしょう。
■遺言書を作成する
遺言書を作成しておくと、法定相続分に優先して、指定したとおりの内容で財産を分割できます。相続人間の遺産分割協議が不要となるため、対立が起こりにくくなるでしょう。
また、遺言書による相続人以外への遺贈も可能です。
■保険や相続型信託を活用する
生命保険や相続型信託を利用すると、法定相続分とは別に財産の受取人を指定できます。大切な人に確実にまとまった財産を遺したい場合に有効です。
■資産組み替えを行う
不動産など分割が難しい財産について資産組み替えを行っておくと、相続が円滑になります。
・売却して現金化する
・計画的に複数の不動産を取得する
・代償分割(不動産などを単独で相続する代わりにほかの相続人に現金を支払うこと)のための資金を備える
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相続税対策
相続税評価額が高い場合、高額の相続税が発生する可能性があります。相続税の金額を抑える対策や、納税資金に困らないための備えが必要です。
■生前贈与を活用する
年間110万円までの贈与には、贈与税がかかりません。また、教育資金の一括贈与など、条件を満たした贈与が非課税となる制度もあります。
これらを活用して生前贈与をし、相続税の課税対象財産額を減らすことで、相続税の負担を軽減できます。
■相続税評価額を圧縮する
次のような手段で、不動産の相続税評価額を圧縮できます。
・収益用不動産を購入する(金融資産と比べて相続税評価額を圧縮できる)
・死亡保険金には非課税限度額を利用する(法定相続人の人数×500万円)
・さら地に賃貸用物件を建てる
■納税資金を確保する
相続税は原則として、相続発生後10ヶ月以内に現金で一括納付しなければなりません。相続人が納税資金に困らないよう、次のような方法で備えましょう。
・不動産の現金化などで金融資産を増やしておく
・生命保険を活用して現金を受け取れるようにする
・収益不動産など現金収入につながる財産を生前贈与する
・納税資金を考慮して遺産の分割内容を決める
適切な相続対策で相続人の負担を減らしましょう
相続対策の目的は、相続人の負担軽減です。相続手続きの手間や相続人間のトラブル、相続税の問題で相続人を煩わせることのないよう、元気なうちに相続対策についてしっかりと考えることが大切です。
ご自身の財産の状況に合わせてどのような問題が発生し得るかをしっかりシミュレーションし、できる限りの備えをしておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー