更新日: 2021.08.06 相続

生前贈与は相続対策に有効? 活用できる制度はある?

執筆者 : 柘植輝

生前贈与は相続対策に有効? 活用できる制度はある?
生前贈与は相続対策に有効といわれることがあります。しかし、それは誰にでも当てはまるものなのでしょうか。また、自分が行う生前贈与に活用できる制度はあるのか気になる方も多いでしょう。
 
今回は、相続対策における生前贈与の有効性と活用すべき制度について考えます。
M&Aコンサルタントの履歴書
「履歴書」を見る
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

生前贈与が相続対策に有効な理由

生前贈与とは財産を所有している方が、あらかじめ財産を特定の人に贈与して遺産分割を原因とする相続争いを回避させたり、贈与税の非課税枠や各種特例を利用して相続財産を減らし、相続税を節税するために行われる相続対策の1つです。
 
特に生前贈与による相続税対策というのは有名で、多くの方がこれを目的として生前贈与を行っています。相続税は、相続財産が「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算した基礎控除の金額を超えると発生します。
 
例えば、相続人が2人であれば、4200万円を超える部分に相続税が課税されるということです。そのため、少しでも生前に贈与をして相続財産を減らし、相続税を抑えるというのが生前贈与による相続対策の基本になります。
 
相続税の税率は下記のようになっており、財産の取得金額に応じて税率も高くなっています。
 


出典:国税庁 「No.4155 相続税の税率」
 
今回は、この相続税を節税するという観点から、生前贈与で行う相続税対策について話を進めていきます。
 

M&Aコンサルタントの履歴書
「履歴書」を見る

生前贈与で行う相続税対策に活用できる制度

生前贈与で相続税対策を行うに当たり、特に幅広い方が利用できることから真っ先に活用を検討したいのは以下の制度です。
 

暦年贈与

暦年贈与は最もお手軽な相続税対策です。年間110万円までは贈与税が非課税となる点に着目し、相続人になると考えられる人に毎年110万円ずつ、あらかじめ相続財産になるであろう財産を暦年贈与しておくのです。
 
被相続人の方から亡くなる前3年以内に贈与された財産は、相続財産にプラスして相続税が計算されます。そのため、暦年贈与による相続税対策は財産の内容や数に応じてできるだけ早期から行っておく必要があります。
 
なお、財産の金額や暦年贈与の年数などによっては、相続税より贈与税の税率の方が低い場合もあります。そういった場合はあえて非課税の110万円にこだわらず、贈与税を払ってでも多めに財産を贈与した方が節税になることもあります。
 

相続時精算課税制度

相続時精算課税とは、原則60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子や孫に財産を贈与した場合に選択できる贈与税の特例的な制度です。
 
相続時精算課税によって贈与した財産は、贈与時は2500万円まで非課税となる代わりに、相続時に相続財産に含めて相続税を支払うというものです。
 
相続税の算定において財産の価格は贈与時の価格が適用されるため、今どうしても贈与する必要がある場合や、相続時には値上がりしていることが予想される財産の生前贈与に向いています。
 
ただし、相続時精算課税を選択すると暦年贈与との併用ができないこと、一定の手続きが必要になることに注意してください。
 

その他の制度

先の2つに比べて制約は大きくなりますが、教育資金や結婚資金などについて親や祖父母からの贈与を受けた際に利用できる「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」や「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」といった制度のほか、夫婦間で居住用の不動産または不動産を取得するための金銭を贈与したときに適用できる「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」などの特例についても利用を検討したいところです。
 
ただし、いずれも要件があるため、検討に当たっては可能な限り税務署や相続の専門家と相談すべきです。
 

相続対策の注意点は?

相続税を含む相続対策を行う際の注意点としては、相続対策について本当に必要なものかどうか十分に検討すべきであるということです。
 
例えば、相続する財産が非課税枠の範囲であれば、相続税よりも相続争いの回避のための対策が優先となります。また、仮に相続税対策をしたいと思っても、要件に合致しないことや、時期が遅い・早いことから十分な対策ができないという場合もあります。
 
相続対策についてはその目的や必要性を考慮し、早めの検討ならびに準備が必要です。
 

生前贈与は相続対策に有効だが十分な検討が必要

生前贈与は相続税を含む相続対策に大いに役立ちます。しかし、相続税の対策として使える制度は特例などいくつもあるため、どれを利用するのが最も的確な相続対策となるのか十分な検討が必要です。
 
相続対策を行っておきたいのであれば、先延ばしせず、早めに準備を進めていくようにしてください。
 
出典
国税庁 No.4155 相続税の税率
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁 No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
 
執筆者:柘植輝
行政書士

auじぶん銀行