更新日: 2021.09.26 その他相続
【2021年】相続法が改正! 押さえておきたいポイントを解説
2021年の相続法改正により、財産管理制度周辺の規律が見直され、相続人が不明な場合でも相続財産を保存できるようになりました。また、相続放棄をした場合の相続財産の管理義務が明確化されています。
この記事では、2021年の相続法改正により何が変わったか、そしてどんな人に影響があるのか解説します。相続に関わる人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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【2021年】相続法の改正とは?
相続法とは、相続に関する民法の総称のことです。2021年に行われた相続法改正では、財産管理に係る制度が見直し・創設されました。
相続法改正の時期
2021年の相続法改正について、具体的な施行の時期は未定です。ただし、施行は公布から2年以内と決まっているため、2023年までには施行されるでしょう。
また、相続法改正と聞くと2019年の大きな改正を思い出す人もいるはずです。ここでは以下のような内容が、相続法に追加されました。
・配偶者居住権の創設
・婚姻期間20年以上の場合で居住用不動産の贈与等に関する優遇措置
・自筆証書遺言の方式緩和
以上の内容は、2019年から施行されています。
【2021年】相続法改正のポイント
頻繁に改正される相続法。どんな改正があったのか確認したい人は少なくないでしょう。ここからは、以下のとおり2021年の改正相続法のポイントをそれぞれ解説します。
・清算手続きの合理化
・具体的相続分の期間制限
・取り下げ効力の制限
・相続財産管理義務の明確化
・財産管理制度の供託に関する規律
改正前と改正後の違いも紹介しますので、改正の内容を知りたい人はぜひ参考にしてください。
清算手続きの合理化
これまで、相続人不分明の場合に財産を処分する際は、煩雑な手続きが必要でした。しかし、手続きが簡略化されたため、持ち主不明の空き家などをより早く処分できるようになりました。
具体的相続分の期間制限
相続開始から10年を経過してから行う遺産分割について、特別受益および寄与分の規定の適用が受けられなくなりました。これにより、具体的相続分の算定が難しく、遺産分割が行われないまま長期間放置されるなどのケースを防ぐことができます。
取り下げ効力の制限
上記の具体的相続分の期間制限が設けられたことにより、相続から10年経過したあとは遺産分割調停、審判の申し立てに係る取り下げの効力が生じなくなりました。
ただし、相手方の同意が得られれば取り下げは可能です。
相続財産管理義務の明確化
これまで相続放棄をした人について、財産管理義務の内容が不明確でした。そこで改正後は管理義務の内容を明確化し、相続人等に引き渡すまでは遺産は自己の財産と同様の注意を持って管理するよう定めています。
財産管理制度の供託に関する規律
これまで、住居を出て戻って来る見込みのない不在者に財産管理人がいないとき、家庭裁判所は申し立てにより財産管理人の選定をしてきました。この財産管理人は不在者に代わり遺産の分割や売却ができますが、管理財産が預貯金のみとなった場合の対応について明確ではありませんでした。
そこで改正後は金銭の供託を認め、管理財産がすべて供託されたとき財産管理人としての選任処分を取り消せるようになっています。
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相続法の改正が影響する人とは?
2021年の相続法改正について影響が大きいのは、相続放棄をした人です。新たに管理義務が明確化されたことで、相続人に遺産を渡すまでの期間、財産の管理が必須になりました。
その他、財産管理人になっている場合は選任処分について変更があるので確認しましょう。
相続法改正は専門家に相談を
相続法の改正は、時代に合わせ今後も頻繁に行われることが予想されます。そのため、相続時に最新の法律を確認することが重要です。
また、2021年の改正で見直された部分は、この記事で紹介した以外にもあります。実際に自分と家族にどんな影響が出るのか知りたい人は、弁護士など専門家に相談しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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