更新日: 2021.09.30 遺言書

遺言書を強制された。相続欠格と見なされる条件とは?

遺言書を強制された。相続欠格と見なされる条件とは?
相続人から「強迫」「詐欺」「偽造」などの行為を受けた場合は、相続人の資格を剝奪できます。相続人の資格は一度失うと戻ることはありません。
 
ここでは、相続欠格と見なされる5つの条件について解説します。これから遺言書の作成を考えている方や現在相続人から妨げを受けている方は、ぜひご覧ください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

相続欠格とは

 
相続欠格とは、民法891条で定められている相続人の資格を剝奪する制度のことです。相続人であっても、相続秩序を侵害する非行をするなど相続欠格事由に該当する場合、相続欠格が適用されて一切の遺産の相続ができなくなります。
 
相続欠格は相続人廃除とは違うため、被相続人の意思は関係ありません
 
ただし、相続欠格となった方に子どもがいる場合は、その子どもが相続欠格者に代わり遺産を相続可能です。
 

相続欠格になる5つの条件

 
相続欠格事由に該当した場合、相続人の資格は剝奪されます。相続欠格事由は「殺害」や「詐欺」「強迫」「偽造」「隠蔽」など、いずれも許されない行為であり、相続できなくなるのは当然のことです。相続欠格事由がどのような内容なのか知っておくことは大切です。
 
ここでは、相続欠格になる5つの条件について見ていきましょう。
 

被相続人もしくは他の相続人を故意に死亡させ、また死亡させようとした場合

 
遺産目当てなどで、被相続人や他の相続人を殺害した場合、もしくは殺害しようとして刑に処せられた場合は相続欠格になります。殺人事件または殺人未遂事件を起こしているわけですから、相続人の資格が剥奪されるのは当然のことです。
 
また、被相続人が介護が必要なのに意図的に食べ物を与えないなど、遺棄罪に当たる場合も相続欠格となります。
 

被相続人が殺害されたのを知っているのに告発や告訴をしなかった場合

 
被相続人が殺害されたことを知りながら、告発・告訴をしなかった場合には相続欠格になります。ただし、被相続人が殺害されたことを知った人が小さな子どもなどの場合、相続欠格は適用されません。また、殺害した犯人が自分の配偶者や直系血族の場合は、相続欠格の適用からは除かれます。
 

詐欺や強迫で被相続人の遺言の変更や取り消しを妨げた場合

 
詐欺や強迫をして遺言を妨げた場合は相続欠格になります。被相続人が遺言の変更や取り消しを考えていることを知って、それを止めるためにだましたり脅したりする行為は許されるものではありません。詐欺や強迫によって遺言がゆがめられることになります。
 
このような、詐欺や強迫で遺言の変更や取り消しを妨げた場合には、相続人の資格が剝奪されます。
 

詐欺や強迫で被相続人の遺言の変更や取り消しをさせた場合

 
詐欺や強迫で被相続人の遺言の変更や取り消しを妨げただけでなく、実際に変更・取り消しをさせた場合も、相続人の資格は剝奪されます。被相続人の意思とは違う内容に遺言がゆがめられることになるため、相続欠格になるのは当然です。
 
被相続人をだましたり脅したりして、遺言を変更・取り消しさせてはいけません。
 

被相続人の遺言書を偽造や破棄、隠蔽などした場合

 
被相続人の遺言書が自分に不利な内容だと考えて、遺言書の偽造や破棄、隠蔽などをした場合にも相続欠格になります。遺言書を勝手に作ったり捨てたり、隠したりするわけですので、相続人の資格が剝奪されて当然です。
 
また、遺言書に不正をした、もしくは不正をする行為を行った場合も相続欠格になります。
 

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遺言書を強制された場合は相続欠格の条件に該当する

 
 
相続人から遺言書を強制された場合は、相続欠格事由に該当するため相続人の資格を剝奪できます。また、詐欺や偽造、破棄、隠蔽などされた場合も同様です。相続人として不適切な人に遺産を相続しないためにも、相続欠格事由はしっかりと把握しておきましょう。
 
また、該当する行為を受けた場合は、さらに大きなトラブルになる可能性もあるため、速やかに警察や弁護士などに相談してください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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